事件記者が語った「キレる17歳」 ― 母親殺しの闇を埋めた愛用品

「少年が見ていたのは、米国の人気ラップグループ、ビースティーボーイズのDVDだった。90年代から活躍し、ロックバンドとのコラボレーションも多い白人3人組。そこで一晩明かし、タクシーを呼んで警察署まで向かった」(先の社会部記者)

 少年は、このバンドのほかにもサタニズム(悪魔崇拝)色の強いロックで人気を博しているマリリン・マンソンを好んで聴いていたという。

 米国コロラド州で15人の犠牲者を出した1999年の「コロンバイン高校銃乱射事件」の主犯格2人も、このアーティストのファンだったとされており、「トレンチコート・マフィア」と自称した2人は、少年と同年代の高校生でもあった。

 少年は、事件前後にネット掲示板や携帯電話のSNSサイトに犯行をほのめかすような書き込みをした形跡もある。

 少年のものとみられる記述の中には、殺人の動機について「あえて挙げるなら、自己表現ですね」と綴った箇所もあった。「逮捕後、家裁で精神鑑定が行われた少年は、医療少年院に送致され、その後特別少年院に移送された。家裁は『殺人・解体願望を膨らませた上での犯行』と結論づけたが、はっきりした動機は明らかになっていない」(先の捜査関係者)

 少年が愛読したとされる漫画「多重人格探偵サイコ」の中には生首をカバンに入れて持ち歩く描写があった。さらに、植木鉢の切断された右腕の指は、ラップグループがライブ中などによく見せるサインの形に折り曲げられていたという。

 おぞましい猟奇殺人は、もしかして本当に彼なりの「自己表現」だったのかもしれない。
(文=KYAN岬)

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