人類の言語のルーツは「鳥の鳴き声と霊長類の歌声」だった?

 日々、言葉を使って生活する私達人間。他者とのコミュニケーションに使われるのはもちろんのこと、書物に記録を残したり、歌を歌ったり…と、人間の文化の発展に多大な影響を及ぼしてきた。では、私達はどのようにして喋ることを学んだのか? そのヒントとなりうる記事が6月12日付の「Daily Mail」で紹介されている。

人類の言語のルーツは「鳥の鳴き声と霊長類の歌声」だった?の画像1画像は「Daily Mail」より

■人か鳥か? どっちが先に真似た?

 地球上には「人間の言葉を真似る動物」というのが多数存在する。しかし現在、言語学者達は「10万年程前に人間が霊長類と鳥を真似して喋るようになったのではないか?」と主張しているのだ。

 人が言葉を発する際の旋律のようにも聞こえる部分は、これまでの調査でも、「鳥から学んだ」といわれている。そしてアメリカの専門家は、人は言語能力の一部を霊長類からも学び、それをさらに発展させていったのではないか?とも考えている。

 そしてもう一人。マサチューセッツ工科大学の言語学者、宮川繁教授は取材に対し、こう語っている。

「我々人類がどのようにして言葉を話すようになったかは、時間を遡って直接その状況を見に行かない限りわかりません。今、私たちにできるのは、人類の言語とその他の自然界における似たようなシステムが大まかに一致している部分についての学説を確立することなのです」

科学者たちによると、「言語は人間特有のものだが、他の動物達ともその資質を共有している」のだそう。

この研究を進めるチームは、鳥はいくつかのメロディしか奏でる事ができないが、人間はさらにその他の状況、例えば霊長類の表情や抑揚などを取り入れ、それを混ぜ合わせたことで人間特有の言語として発展させたようだと推理している。宮川教授は、言語は感情を表現する部分と、文の構造、つまり言葉の意味をつかさどる部分の二つから成り立っているのではないかと説明している。

■人類の言語の起源。もう一つはサルだった?

 言語は鳥のメロディのような部分を真似したという説を裏付ける調査と同様、霊長類の説を調査した結果、研究者達は220種いると言われる霊長類の中でも珍しい「歌を歌うサル」に注目した。

 このサルの名は「ワウワウテナガザル」。

 何故このサルなのか?

 それはテリトリーに危険が迫った時、求婚する時、そして仲間とコミュニケーションを図る時に、何と14種類にも及ぶ音を使い分け複雑に組み合わさった音を出すのだそうだ。

 人類はこれを真似して言語に発展させたのではないか? という説が主張されるのも理解できなくはない。

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