【身近に感じる数学】リアル・ビックリから生まれた数学記号「!」の謎
■活版印刷と階乗記号

活版印刷が盛んになった18世紀、フランスの数学者クリスティアン・クランプのもとに一人の活版印刷の職人が訪ねて来た。「新しく数学書を活版で印刷するのに、階乗を表す記号をどうしたらいいのかいい知恵はありませぬか?」という。当時、様々な表記法があった中、既存の記号を使う方が面倒でないだろうということでクランプの提案によって「!」の記号が採用されることになった。その後、書籍が世界中に普及していき、世界的に階乗記号「!」が定着したのである。
では、「2、4、8…」と、これまたすさまじい増え方をする乗数にはエピソードはないのだろうか?
■秀吉をも驚愕させた曽呂利 新左衛門
この話は中国の逸話を元にしたという説もあるのだが、曽呂利 新左衛門(そろり しんざえもん)という一風変わった名前の持ち主が主人公だ。
新左衛門は豊臣秀吉の非常に優秀な家臣で忠義を尽くしたそうで、ある時その働きに対し、秀吉が褒美をとらせようと新左衛門を呼び「そなたの働きぶりには非常に感心しておる。褒美を与えよう。なんでも欲しいものを申せ」と言った。「いいえ秀吉様、家臣が忠義を尽くすのは当然のこと。めっそうもございません」と、はじめは断る新左衛門であったが、どうしても受け取れという秀吉の命にこう切り返すのである。
秀吉の脇に置いてあった碁盤を見ながら、「それでは、米をいただければ幸いにござります。そんなにたくさんとは申しません、そこにある碁盤のマス目に1粒、2粒、4粒…と、倍になるように置いていってくれませぬか?」。この申し出に秀吉は「なんと欲のないやつじゃ。わかった、そなたの願い叶えよう」と家臣に願い通りに褒美をとらせるよう命ずるのであった。しかしとんでもない要求であったとはさすがの秀吉も気付かなかったようだ。
碁盤は縦横19マスずつなので、全部で361マス。言われた通り米を用意しようとすると国内の米を全て集めても全然足りないことが分かり、驚愕した秀吉はあわてて違う褒美を与えたという。あまりに膨大な数でここ書くことは省略するが、新左衛門が言った米粒は人類が誕生してから今後地球が無くなるまでに消費する量を遥かに凌駕するのは間違いない。
数学というととっつきにくい感じもあるが、こういう話を聞くとなんだか身近に感じるものである。
(アナザー茂)
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