伝説の人食いワニ「ギュスターヴ」は死んだのか? 殺すために襲う怪物の行方

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 東アフリカ・ブルンジ共和国を流れるルジジ川。もしあなたがアフリカを旅することがあっても、この川で泳ごうなどとは決して考えない方がいい。なぜなら、そこには数十年もの間、現地の人々を恐怖のどん底に突き落としてきた伝説の怪物、巨大ナイルワニの「ギュスターヴ」が潜んでいるかもしれないからだ。

 ギュスターヴに関する情報の多くは、2004年のドキュメンタリー番組や、それを元にした2007年のホラー映画『カニング・キラー/殺戮の沼(Primeval)』などで知られている。体長6メートル以上、体重約900キログラムと推定されるこの巨獣は、時にボートと見間違えられるほどの大きさだという。平均的なナイルワニが4〜5メートルであることを考えれば、その異様さが分かるだろう。

300人の犠牲者と「人食い」の恐怖

 1987年頃から始まったとされるギュスターヴによる襲撃事件は、特に1990年代後半から2000年代前半にピークを迎えた。一説には300人以上の命を奪ったと言われているが、専門家はこの数字を誇張だと見ている。しかし、数十件の襲撃に関与している証拠は存在する。

 ギュスターヴの研究家であるフランス人パトリス・フェイ氏は、ルジジ川やタンガニーカ湖周辺での死亡事故とギュスターヴの目撃情報が一致することを突き止めた。目撃者によれば、彼の頭には銃撃を受けたと思われる3つの傷跡があるという。

 フェイ氏はBBCのインタビューでこう語っている。「彼は10人、15人、あるいは20人を土手で襲うことができる。ある年、私は彼の移動ルートを追跡したが、カニョシャからミナゴの間などで17人が食べられていた」。

食べるためではなく、殺すために襲う?

 通常のナイルワニは獲物を捕らえると水中に引きずり込み、保存したりその場で食べたりする。しかし、ギュスターヴは犠牲者を襲い、そのまま放置することがあるという。これは彼が空腹のためではなく、何らかの理由で人間を攻撃している可能性を示唆しており、その不気味さを一層際立たせている。

 実際に襲われ、片足を失いながらも生還した男性の証言は生々しい。「巨大で古い何かが私を掴んだ。目が合ったとき、信じられないほどの痛みを感じた」。彼はまるで「案内されるかのように」水中に引き込まれたという。

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伝説は終わったのか、それとも潜伏しているのか

 近年、ギュスターヴの目撃情報は激減している。2009年と2015年に未確認の報告があったものの、かつてのようなセンセーショナルなニュースは途絶えたままだ。

 2019年には「ギュスターヴは殺された」という噂も流れたが、死体は見つかっておらず、真相は定かではない。彼は本当に死んだのか、それとも賢く身を潜め、次の獲物を待ち構えているのだろうか。あるいは、ギュスターヴという存在自体が、複数のワニの襲撃を束ねて語られた、恐怖が生んだ伝説だったのかもしれない。

 確かなことは一つ。ルジジ川の濁った水面の下には、今もまだ解明されていない闇が潜んでいるということだ。

参考:IFLScience、ほか

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