死後、地球人は異星人として生まれ変わる? UFO研究家を悩ませ続ける「スコリトン事件」

■アダムスキーの体験との奇妙なリンク

 さて、この「スコリトン事件」が明るみに出たのは、地元紙の記事が原因だった。実は6月7日の夜、ブライアント以外にも謎の飛行物体を見ていた者がおり、天文学者ヘッドリィ・ロビンソンが他の目撃者を探していた。その事を報じる記事を目にしたブライアントが、目撃者の1人としてロビンソンに手紙を書いたのだ。こうしてブライアントの体験はBUFORA(イギリスUFO研究会)の知るところとなった。

 そして調査にあたったBUFORAのノーマン・オリバーは、ブライアントの証言に、かの有名なジョージ・アダムスキーの体験と関連する事項がいくつも含まれていることを発見した。ちなみにジョージ・アダムスキー(1891~1965)は、世界で最初に宇宙人とのコンタクトを公表した人物、つまり人類初のコンタクティーだ。彼が撮影に成功したUFOのフォルムは「アダムスキー型」と名付けられるほど、UFO史上に名を刻む重要人物として知られている。

 アダムスキーの体験は、考古学者デスモンド・レスリーとの共著『空飛ぶ円盤実見記』として出版され、世界的なベストセラーになった。それによると彼は、1952年11月20日、アメリカのカリフォルニア州モハーベ砂漠で「金星人オーソン」と最初に会見し、翌年には「火星人ファーコン」と会った。さらに彼は空飛ぶ円盤にも同乗し、“青い色にバラの刺繍の付いたガウン”を着用して土星を探訪。「土星人ラミュー」にも会ったという。


――ここまでで何か気付きはしないだろうか。「スコリトン事件」でブライアントが「ヤムスキー」と名乗る少年宇宙人から告げられた、謎のメッセージをもう一度思い出してほしい。

我々はあなたにメッセージを持ってきた。“デス…レス…”に伝えてほしいことがある。今から1カ月後に私たちは“マンテルの証拠”を示すだろう。夕方の青い光体に注意しなさい

 まず、この中にある“マンテルの証拠”という言葉は、1948年に起きた「マンテル事件」(UFOとの関連が疑われるアメリカ空軍機墜落事件)のことを指すと考えられる。

 そして、メッセージ中にある「デス…レス…」という人名らしき言葉、すなわち「マンテル事件」の証拠が示される旨を伝えるべき相手とは、アダムスキーと『空飛ぶ円盤実見記』を共著した考古学者デスモンド・レスリーであることを連想させる。

 また、「スコリトン事件」で宇宙船の内部を案内されたブライアントが見かけた、“紫色でバラの刺繍が入ったガウン”は、アダムスキーが土星を訪れた際着用した“青い色にバラの刺繍の付いたガウン”を思わせるものだ。当時、まだアダムスキーの土星訪問は一部の側近以外には伝えられていなかったにもかかわらず……。

 不思議なリンクはそれだけではない。アダムスキーは、1965年4月23日に死亡したが、「スコリトン事件」はアダムスキー死去の翌日、より正確には死後12時間ほどのタイミングで起きているのだ。「スコリトン事件」の発生時、アダムスキーの死は関係者以外には知りようのない情報だった。

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