水と食べ物は不要!? 太陽の光だけで生きる「ブレサリアン(不食者)」のヤバすぎる実態

「断食は体を罰するためのものではない。意識を拡大させるために、体を洗練させるものなのだ」
森から差し込む陽光に向かって両手を広げ、恍惚とした表情を浮かべる男。その隣には、こんなスピリチュアルなスローガンが添えられている。
彼の名前はアカヒ・リカルド。自らを「ブレサリアン」と名乗る彼は、人間は食べ物や水がなくても「太陽の光と空気(プラーナ)」だけで生きていけると本気で信じている人々の一人だ。
インドや中国の古代の禁欲的な宗教修行にルーツを持つとされる「ブレサリアニズム」。かつては仙人や修行僧のものだったこの過激な思想が、今、SNSのインフルエンサーやウェルネス(健康)の達人たちによって、現代の若者たちへと広まりつつある。

究極の「食からの解放」か、ただの危険な疑似科学か
リカルドと妻のカミラは、2008年から「宇宙のエネルギーで生きている」と主張している。カミラに至っては、第一子を妊娠中、「ブレサリアン妊娠」と称して9ヶ月間何も食べなかったと豪語する。「私の子どもは私の愛によって十分に栄養を与えられ、お腹の中で健康に育つと分かっていました」というのだから、現代の産婦人科医が聞いたら卒倒するだろう。(※ちなみに彼らは「週に数回、フルーツや野菜のスープを口にすることはある」とちゃっかり認めている)。
現在、ブレサリアンたちの間で人気を集めているのが、イタリアの田舎町で暮らすフランス人のニコラ・ピラルツだ。彼は年に一度、ブレサリアンのための12日間のフェスティバル「プラーナ・ワールド・フェスティバル」を主催している。
彼によれば、現代人は「食への依存症」に陥っており、それが肥満や病気などの苦しみを生んでいるという。
「ブレサリアニズムとは『食からの解放』です。食べてもいいし、飲んでもいい。ただ、それが『義務』ではなくなるということです」とピラルツは語る。
40代でこの思想に出会った彼は、最初は完全な断食を試みたものの体調を崩し、現在では「月に1回だけ固形物を食べ、あとは1日に1リットルのホットチョコレート(!)やスープなどの液体だけで生きている」という、なんとも独自ルールの不食生活を楽しんでいるようだ。

マクドナルドとダイエットコークで「神と一体化する」教祖
一方で、このブレサリアンの世界には、さらに斜め上をいく強烈なキャラクターも存在する。
1980年代、「空気と太陽光だけで19年間生きている」と主張してアメリカで一世を風靡したワイリー・ブルックスという教祖がいた。しかし彼はその後、マクドナルドからジャンクフードを抱えて出てくるところを何度も目撃されて大炎上してしまう。
普通ならここで謝罪するところだが、彼はタダでは転ばなかった。なんと「マクドナルドの店舗は、5次元の高エネルギー(スピリチュアルなポータル)に守られた土地に建てられている」というトンデモ理論を展開し、信者たちに「瞑想の前にダブルクォーターパウンダーとダイエットコークを大量に摂取せよ」と推奨し始めたのだ。
彼の死後、団体を引き継いだブランドン・デイもこの教えを守っている。彼は英Daily Mailの取材に対し、大真面目にこう語った。
「ハンバーガーとダイエットコークを飲み終える頃には、神との一体感を感じ始めます。ハンバーガーには私の魂と調和する魂が宿っており、私はそれを自分の(スピリチュアルな)プロセスのために利用しているのです」
さらに彼の団体は、不食を教える「不死のワークショップ」を数千ドルから数万ドルで販売し、「神々のエリクサー(不老不死の霊薬)」と称するただの水を1本200ドル〜1000ドルで売り捌くなど、完全なビジネス(あるいはカルト)へと変貌している。
栄養失調による死とカルトの闇
ホットチョコレートやハンバーガーをこっそり(あるいは堂々と)食べている教祖たちはまだ笑い話で済むが、この思想を信じ切った信者たちの末路は決して笑えない。
オーストラリアで「プラーナ(生命エネルギー)だけで生きられる」と提唱し続ける有名な指導者ジャスムヒーンの教えに従った結果、これまでに少なくとも5人の信者が餓死や脱水症状で命を落としている。
最近でもロシアで、生まれたばかりの息子を「太陽の光とベリー」だけで育てようとし、母親の母乳すら禁止したインフルエンサーの父親が、乳児を餓死させた罪で懲役10年の判決を受けているのだ。
有名ハリウッド女優のミシェル・ファイファーも、若かりし頃にブレサリアンのカップルに洗脳され、全財産を貢ぎそうになったカルト的な恐怖体験を告白している。
「人間は水なしで3〜4日、長くても6日しか生きられない」というのが科学的な事実だ。体が飢餓状態に陥れば、筋肉や脂肪を分解して延命しようとし、最終的には死に至る。それは「愛」や「宇宙のエネルギー」では決して補えない。
飽食の時代において、「食べないこと」への憧れやデトックスがもてはやされる気持ちは分からなくもない。しかし、太陽の光で光合成ができるのは植物だけだ。もしあなたの友人が「太陽の光だけで生きていく」と言い出したら、そっとハンバーガーを差し出して、現実世界に引き戻してあげるべきだろう。
参考:Daily Mail、ほか
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2024.10.02 20:00心霊水と食べ物は不要!? 太陽の光だけで生きる「ブレサリアン(不食者)」のヤバすぎる実態のページです。断食、不食、ブレサリアン、プラーナなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
