「世界で最も邪悪な男」の霊が命じた!? 陪審員に一生のトラウマを植え付けたオカルト殺人裁判の真相

2024年11月、スコットランド南部の町で、一人の男性が22カ所を刺され、自宅もろとも焼き尽くされる凄惨な事件が起きた。
犯人は法廷で驚くべき弁明を展開した。19世紀の著名なオカルティスト、アレイスター・クロウリーの霊に憑依され、被害者の魂を奪えと命じられた——というのだ。
だが陪審はこの主張を退け、彼を殺人罪で有罪と評決した。異界の存在が犯行の言い訳になるのかが問われた、異例の裁判の全容とは。
面識のない相手への「制裁」だった凶行
事件が起きたのは2024年11月、スコットランド・ダンフリース・アンド・ギャロウェイ地方にある被害者の自宅だった。被害者はジョセフ・ジョンストンさん(58歳)。周囲からは「アーニー」の愛称で親しまれていた。
犯人のガブリエル・ブラウン(35歳)は元用心棒で、性犯罪の前科を持つ人物だった。この夜まで、二人に面識はなかったという。
グラスゴー高等法院での審理によれば、ブラウンは義理の母がかつてジョンストンさんと交際していた事実を知り、その関係で聞かされた話を理由に彼を標的に定めたとされる。義母は以前、ジョンストンさんの自宅の場所をブラウンに教えたこともあったという。
事件当夜、酒を飲みマリファナを吸ったブラウンは、深夜に被害者宅を訪れた。ジョンストンさんは彼を招き入れ、当初は打ち解けた様子で、二人は一緒に写真を撮っていたとも伝えられる。
しかしその後、ブラウンは無抵抗の被害者に激しい攻撃を加えた。刃物で22回にわたり刺したうえ、薬指を切断し、被害者の顔には文字を刻んだ。犯行後は室内の4カ所に火を放ち、家具を燃やし、コンロに点火し、電子レンジに金属製のカトラリーを入れるなどして隠蔽を図ったという。火災報知器も取り外されていた。焼け落ちた部屋から、ジョンストンさんの遺体は発見された。
法廷で語られた「クロウリーによる憑依」
ブラウンは殺人の罪を否認し、犯行時に精神障害を患っていたとする特別抗弁を申し立てた。彼は10代の頃に精神疾患と診断されていたという。
そのうえで彼が展開したのが、常軌を逸した弁明だった。ブラウンは、19世紀に生まれた著名なオカルティスト、アレイスター・クロウリーの霊に憑依されていたと主張。クロウリーが自分に、被害者の魂を奪うよう命じたと述べた。
被害者に刃物を突き立てたとき、その手は自分ではなくクロウリーのものであり、二人は一つの身体を共有していた——ブラウンはそう供述したと伝えられる。切断した薬指についても、魂を奪うためだったと語り、その指を「調理した」と認めたという。
アレイスター・クロウリーは20世紀初頭に「世界で最も邪悪な男」とも評された実在の人物で、その名は今なお西洋オカルティズムの象徴として語り継がれている。だが、その霊が現代の殺人事件を引き起こしたという主張を裏付ける証拠は、法廷には何一つ示されなかった。

陪審が退けた主張と、判事の異例の措置
約2週間に及んだ審理の末、陪審はブラウンの憑依の主張を退け、殺人罪で有罪と評決した。量刑は翌月に言い渡される予定で、判事のマルホランド卿は、彼が二度と釈放されない可能性があると警告した。
マルホランド卿は、この犯行を、無抵抗の男性を自宅で襲った執拗かつ残忍で情け容赦のない攻撃だと指摘した。義母との関係をめぐり被害者を罰したいという動機に基づくものであり、標的とされた薬指や、顔に刻まれた文字が、その「制裁」の意図を物語っていると述べたという。
さらに、審理で示された証拠があまりに凄惨だったことから、マルホランド卿は陪審員たちを生涯にわたって今後の陪審義務から免除するという、きわめて異例の措置をとった。
評決後、ブラウンには少女らに対する性犯罪の前科があったことも明らかになった。捜査を指揮した警察の担当官は、評決が失われた命を取り戻すものではないとしながらも、遺族に何らかの慰めをもたらすことを願うと語ったと伝えられる。
異界の霊がこの残虐な犯行を招いたのではなく、罪を犯したのは一人の人間の意思にほかならない——法廷は、そう告げたのである。
参考:Daily Mail、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「世界で最も邪悪な男」の霊が命じた!? 陪審員に一生のトラウマを植え付けたオカルト殺人裁判の真相のページです。アレイスター・クロウリー、儀式殺人などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで