実際の殺人事件がモデルになった洋楽ヒット曲8選! マイケル・ジャクソンやボブ・ディランが歌った犯罪とシリアルキラー

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 音楽は私たちの心を癒し、時に感情を揺さぶる。しかし、あなたが何気なく口ずさんでいるその大ヒット曲の裏に、凄惨な「殺人事件」や「シリアルキラー(連続殺人鬼)」の影が潜んでいるとしたらどうだろうか。

 たとえば、1979年にアメリカのサンディエゴで起きた銃乱射事件。16歳の少女ブレンダ・アン・スペンサーが小学校を襲撃し、2人を殺害、9人を負傷させた。逮捕された彼女が放った動機は、たった一言「月曜日が嫌いだったから」という理解不能なものだった。

 この事件に衝撃を受けたボブ・ゲルドフ率いるブームタウン・ラッツは、そのままズバリ『I Don’t Like Mondays(哀愁のマンデイ)』という曲を発表し、全英No.1の大ヒットを記録している。

 事実は小説——いや、音楽よりも奇なり。今回は、誰もが知る有名アーティストたちが「実際の凶悪事件」からインスピレーションを受けて書き上げた、8つの恐るべき名曲たちをご紹介しよう。

マイケル・ジャクソン『Smooth Criminal』

「アニー、大丈夫か?」というフレーズと、ゼロ・グラヴィティのダンスで知られるマイケル・ジャクソンの代表曲『Smooth Criminal(スムーズ・クリミナル)』。アパートで襲われた女性について歌われたこの曲だが、マイケル自身はそのインスピレーションの源を語っていない。

 しかし、兄のジャーメイン・ジャクソンによれば、この曲は1980年代にアメリカを震撼させた悪魔崇拝のシリアルキラー、リチャード・ラミレス(通称:ナイト・ストーカー)の事件がきっかけだったという。家に忍び込み、14人もの命を奪った凶悪犯の影が、ポップスの王様の最もクールなダンスチューンの裏に隠されているのだ。

ザ・キラーズ『Jenny Was a Friend of Mine』

 1986年、ニューヨークのセントラルパークで18歳のジェニファー・レヴィンが絞殺体で発見された。逮捕されたのは「プレッピー・キラー(お坊ちゃん殺人鬼)」と呼ばれたロバート・チェンバース。彼は裁判で「死んだのは事故だ、私たちはただの『友達』だった」と主張し、過失致死罪で有罪となった。

 ラスベガス出身のロックバンド、ザ・キラーズ(The Killers)の『Jenny Was a Friend of Mine(ジェニーは僕の友達だった)』は、この事件をテーマにした三部作の一つだ。言い訳がましい犯人の心理が、メロディアスなロックに乗せて歌われている。

ザ・スミス『Suffer Little Children』

 1960年代のイギリスで、5人の子どもを誘拐・殺害した悪名高きカップル、イアン・ブレイディとマイラ・ヒンドリー。彼らが引き起こした「ムーアズ殺人事件」は、イギリス犯罪史において最も忌まわしい事件の一つだ。

 ザ・スミスのモリッシーは、1984年の楽曲『Suffer Little Children』の歌詞の中で、レスリー・アン・ダウニー(10歳)、ジョン・キルブライド(12歳)、エドワード・エヴァンス(17歳)という3人の被害者の名前を直接登場させている。痛切で重い、鎮魂と怒りの歌である。

ブルース・スプリングスティーン『Nebraska』

「俺と彼女はドライブに出かけ、10人の罪なき人々が死んだ」

 ブルース・スプリングスティーンの1982年の楽曲『Nebraska(ネブラスカ)』は、1958年にアメリカを震撼させたチャールズ・スタークウェザーの連続殺人事件をベースにしている。

 彼は14歳の恋人キャリル・アン・フューゲートを連れて逃避行を続けながら、次々と殺人を犯した。映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』などのモデルにもなったこの事件の虚無感を、スプリングスティーンはアコースティックギター1本で冷徹に歌い上げている。

ザ・ドアーズ『Riders On The Storm』

 ジム・モリソンが歌うザ・ドアーズの名曲『Riders On The Storm』。この曲の一部は、1951年にヒッチハイクを装って次々と殺人を犯したシリアルキラー、ビリー・クックからインスピレーションを得ている。

 イリノイ州で彼を車に乗せてしまったモッサー一家5人を含む、計6人を殺害したこの男の狂気が、サイケデリックで陰鬱なメロディの中に溶け込んでいる。

クランベリーズ『I Just Shot John Lennon』

 1980年、元ビートルズのジョン・レノンがニューヨークの自宅前で射殺された事件。「I Just Shot John Lennon(ジョン・レノンを撃ったところだ)」というこの曲のタイトルは、暗殺犯マーク・デイヴィッド・チャップマンが逮捕された際に実際に口にした言葉そのものである。

 クランベリーズはこの生々しい言葉を、1996年のトリビュート・トラックのタイトルとして使用し、ボーカルのドロレス・オリオーダンが切なく歌い上げている。

エルヴィス・コステロ『Let Him Dangle』

 エルヴィス・コステロの1989年の楽曲『Let Him Dangle(彼を吊るせ)』は、イギリスの死刑制度に対する強烈な抗議ソングだ。

 テーマとなっているのは、1953年に起きたデレク・ベントリー事件。強盗中に警察官が殺害された際、実際に銃を撃ったのは未成年の共犯者だったが、「Let him have it(彼に渡せ/彼をやっちまえ)」という曖昧な言葉を発したベントリーが主犯とされ、絞首刑になった。この事件はイギリスの司法の汚点とされ、死刑から45年後の1998年にようやく彼の有罪判決は取り消されている。

ボブ・ディラン『Hurricane』

 1975年に発表されたボブ・ディランの『Hurricane(ハリケーン)』は、殺人事件の容疑を着せられた黒人ボクサー、ルービン・“ハリケーン”・カーターの無実を訴えるプロテストソングだ。

 彼は人種差別的な警察と検察によってトリプル殺人の罪をでっち上げられ、18年もの間刑務所に収監された。この曲の力もあって事件は再審へと動き、1985年にようやく彼は釈放された。音楽が現実の司法を動かした、歴史的な一曲である。

 私たちが何気なく聴いている音楽の裏には、人間の最も暗い欲望や悲劇、そして理不尽な社会への怒りが刻み込まれている。今度これらの曲を聴くときは、歌詞の裏で静かに息を潜めている「真実の物語」に耳を傾けてみてほしい。

参考:Daily Star、ほか

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