スペースXのロケット残骸が時速8690kmで月面に激突! 有人月面基地建設を脅かす「宇宙ゴミ問題」の深刻な現実

将来の月面基地が
イメージ画像 Created with AI image generation

 先日、制御不能に陥ったスペースXのロケット上段が、時速約8690kmという猛スピードで月面に激突した。

 重さ約4000kg、5階建てビルに匹敵する大きさの残骸が、閃光を放ちながら月の大地に突き刺さったのだ。

 今回は幸い、衝突地点に人も設備もなく被害はなかった。だが専門家は、これが人類にとって「対岸の火事」では済まなくなる日が近いと警鐘を鳴らしている。

「今は無害」でも将来は危険——月面基地を狙う漂流ロケット

 このロケット上段は、去年1月にフロリダから2基の月着陸機を打ち上げた後、地球・月・太陽の重力に翻弄されながら、実に18ヶ月にもわたって奇妙な周回軌道を漂い続けていた。

 そして重力のわずかなズレが積み重なった末、ついに月面への衝突コースへと引き込まれていったという。

 イギリス・ランカシャー大学の天体物理学者メーガン・アーゴ博士は、今回の衝突自体には触れつつも、より深刻なのはこれからだと指摘する。

 博士によれば、現時点では月に人も着陸機も存在しないためこの衝突に危険はないが、月を目指すミッションが増えるほど、使用済みロケットの部品が月との衝突コースに乗るケースも増えていくという。

 そして、もし月面に恒久的な有人基地を建設し人が常駐するようになれば、宇宙ゴミによる不意打ちの損傷こそ最も避けたい事態になると博士は語っている。

アポロ11号の着陸地点さえも無傷ではいられない

 各国政府や民間企業が、月面基地・衛星網・資源採掘拠点の建設を競うように計画する中、専門家が懸念するのは未来の施設だけではない。

 ニール・アームストロング船長の伝説的な第一歩が刻まれたアポロ11号の着陸地点のような、人類史に残る貴重な史跡もまた、飛来する残骸によって損なわれかねないというのだ。

 アーゴ博士は、その可能性は非常に低いとしながらも、現状は月面に衝突するデブリ自体が少ないだけであり、今後さらに多くの活動が月周辺で計画されれば、初期の歴史的な着陸地点にデブリが衝突する確率も高まっていくと述べている。

 もし今回のようなロケット上段が高速のまま有人施設に直撃すれば、被害は深刻なものになりかねない。

デブリ除去技術と「宇宙版・危機管理意識」への期待

 もっとも、アーゴ博士は宇宙業界がこの危険性に無自覚なわけではないとも強調する。

 民間企業の間では、衝突や墜落を引き起こす前に、運用を終えた衛星や危険な残骸を捕獲・除去する技術の開発が進んでいるという。

 こうした問題への意識の高まりが、あらゆる宇宙関連事業者に対し、自らのロケットの廃棄方法を改善するよう促しているのだ。

 博士はまた、ロケット運用者には使用済み機体を制御しながら再突入させるための燃料をあらかじめ確保しておくことが求められると説明している。

 そのうえで、宇宙業界では今、「スペース・シチュエーショナル・アウェアネス(宇宙状況認識)」と呼ばれる考え方が重要性を増しているという。

 たとえ確率がわずかであっても、頭上を飛び交う残骸への警戒を怠らないこと。それは、月に住む未来の住人たちにとって避けて通れない宿命になりそうだ。

参考:Daily Star、ほか

TOCANA編集部

TOCANA(トカナ)は、「ホントカナ?」を編集方針に、UFO・UAP、UMA、心霊、予言、超古代文明、都市伝説など世界の「謎」を追うオカルトニュースメディア。2013年の開設から13年、公開記事は2万本以上。
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

スペースXのロケット残骸が時速8690kmで月面に激突! 有人月面基地建設を脅かす「宇宙ゴミ問題」の深刻な現実のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ秘密結社購買部