「死後300年祟ってやる」 死刑囚の最後の晩餐に“土”を注文した男! ブードゥー教徒の殺人鬼が刑務所に残した呪い

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 死刑囚に許される最後の食事、いわゆる「ラスト・ミール(最後の晩餐)」。アメリカではこの風習が古くから続いており、ステーキにフライドチキン、好物のデザートまで、囚人が望むメニューを記録した数々のリストが残されている。だが、ある男が最後に注文したのは、料理でも飲み物でもなく「土」だった。しかも刑務所はその要求をきっぱり拒否し、代わりに一杯のヨーグルトを差し出したという。1990年にテキサス州で実際に起きた、奇妙すぎる最後の晩餐の話である。

元タクシー運転手にしてタロット占い師、そしてブードゥー教徒

 その死刑囚の名はジェームズ・エドワード・スミス、当時37歳。ニューオーリンズ出身の彼は、かつてタクシー運転手として働き、タロットカードを扱う占い師でもあったと伝えられている。そして何より、彼を特異な存在にしていたのが、信仰していたブードゥー教の存在だった。

 スミスが死刑判決を受けたのは、1980年代にテキサス州で起こした事件によるものだ。生命保険会社の地区マネージャーを強盗の末に殺害したとして罪に問われ、死刑が確定。処刑の日は1990年6月26日と定められた。獄中でも彼はヴードゥーの儀式を続けていたとされ、処刑が近づいてもその信仰は揺るがなかったという。母親はかつて「息子は精神的に責任能力がない」と訴えた時期もあったというが、いざ処刑の日が巡ってくると、スミス本人はむしろ「早く終わらせたい」という意志を見せていたというから、その心境は複雑だ。

最後に望んだのは「生まれ変わるための土」

 そして迎えた最後の晩餐。スミスが告げた注文は、誰も予想しなかったものだった。彼が求めたのは「ラエアクンダ・ダート(Rhaeakunda dirt)」と呼ばれる土である。

 これはブードゥーの儀式において、あの世での生まれ変わり、すなわち転生を助けるとされる特別な意味を持つ土だという。スミスにとって最後の食事とは、好物を味わうものではなく、来世への切符を手に入れるための儀式そのものだったのだ。死を目前にしてなお生まれ変わりを願う——その姿は、強い不安に苛まれていたという彼の、恐怖の裏返しだったのかもしれない。

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「それは食べ物ではない」刑務所の塩対応

 ところが刑務所側の反応は、実にあっさりしたものだった。担当者はスミスの要求に対し、要するに「それは食べ物ではないし、衛生的でもない」という理由で却下。来世をかけた切実な願いも、刑務所のルールの前ではあっけなく一蹴された。

 そして代わりに差し出されたのが、メニューにあったヨーグルト一杯だったというから、なんとも味気ない。生まれ変わりのための聖なる土を望んだ男が、最後に口にすることになったのは乳製品。転生を懸けた壮大な願いと、目の前に置かれた一杯のヨーグルト。このあまりに大きすぎる落差こそ、この逸話が長く語り継がれてきた理由なのだろう。

「300年祟ってやる」と言い残して

 要求を拒まれたスミスは、黙って引き下がりはしなかった。刑務所の職員に対し、自分はこの場所を「300年にわたって祟ってやる」と言い放ったと伝えられている。ブードゥー教徒の死刑囚が残した呪いの宣言——オカルト的にはこれ以上ないほど不気味な締めくくりである。望んだ土を与えられなかった恨みが、来世での転生ではなく、現世に留まり続ける呪いへと向かったのか。それが本気の予言だったのかを確かめる術はない。

 死を前にした人間が最後に望むものは、その人の信仰や恐怖そのものを映し出す鏡なのかもしれない。だが、料理ですらないものを求めたスミスのケースは、数ある奇妙な最後の晩餐の記録の中でも群を抜いて異彩を放っている。彼の呪いが本当なら、その期限が切れるのは2290年。テキサスのその刑務所で、もし今も不可解な現象が続いているとしたら——彼はまだ、約束を守り続けているのかもしれない。

参考:UNILAD、ほか

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