できない者はエアガンで撃つ?元自衛隊員語る、“自衛隊いじめ”の真相と実態!

できない者はエアガンで撃つ?元自衛隊員語る、自衛隊いじめの真相と実態!の画像1※イメージ画像:『陸上自衛隊の力 ~すべては安心のために~』(リバプール)

■繰り返される自衛隊員のいじめによる自殺。その原因を元自衛官が解説!

 私は元自衛隊員です。現役を退いて約16年が経ちました。私が入隊した当時はバブル崩壊後で、急に自衛隊に入りづらくなった年でもあります。現在は、予備自衛官(OBの自衛官などが対象の制度。詳しくは自衛隊HPにて)として、年間限られた日数ではありますが、自衛隊に出入りしています。

 私は直接被害にあったわけではありませんが、最近自衛隊関連のニュースでは、隊員のいじめを苦にした自殺が取り上げられることがしばしばあります。

 9月1日にも、海上自衛隊の護衛艦に勤務する男性が、上司からのパワハラが原因で、尊い命を絶つという事件がありました。男性は、ペンライトで頭を殴られたり、出入り口の扉で手を挟まれたりするなど、日常的に暴行を受けていたようです。しかも、自殺の二日前、上司に配置転換を訴えていましたが、それでも自殺を防ぐことはできませんでした。

 自衛隊では、訓練で間違いなど起こすと、殴られたり蹴られたりは日常茶飯事でした。旧日本軍からの流れがいまだに残っているため、訓練時の失敗などには、長時間の腕立て伏せや、かがみ跳躍など、しごきをさせることがあったのです。ですが、それはその場で終わるのがほとんどでした。訓練後のしごきといじめは全く別問題です。


■なぜいじめが起きる? その環境や構造

 いじめが起こるのは、どの社会組織でも同じです。ただ、自衛隊は、“戦闘集団”ということが問題でしょう。

 簡単に言うと命のやりとりすらも行なう環境下では、1人の失敗が全員の生命に関わることもあります。そのため、1人の失敗はみんなの失敗として、全体責任という考えが必然的に脳裏に焼きついているのです。

 訓練では、しごきがあると書きましたが、1人の足並みが乱れただけで、全体責任となり、罰則を受けてしまうこともあります。そのため、訓練終了後の本来なら休める時間帯に、エアガンで撃たれたり、火のついたタバコを投げられたり、殴る蹴るなどの暴行が行われるのです。“みんなと一緒のことができない”、ということが、自衛隊では、いじめにつながる第一歩なのです。

 また自衛隊は有事の際、危険を顧みず戦わなければなりません。昨今の世界情勢の悪化に伴い、ますますその危険性は近年高まっています。

 そのため、昔以上に自衛隊員たちは、緊張状態を強いられているのかもしれません。そのストレスから、つい他者へ暴力を振るってしまうこともあるのではないでしょうか? しかしストレス解消のために他人に暴力を行使するのは明らかに間違っているやり方です。

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