次に噴火する火山はどこか? 御嶽山→富士山→首都直下地震… 悪夢のシナリオも!?

■噴火と大地震の関係は?

 ところで、今回の御嶽山噴火を受けてネット上で見られるのは、「この噴火が大地震の前触れになるのではないか」という不安の声だ。前述の木村政昭氏をはじめ、「地震発生と火山噴火には密接な関係がある」と主張する学者は少なくないが(以前の記事を参照)、特に日本に甚大な被害を及ぼす可能性のある「首都直下地震」や「南海トラフ地震」との繋がりを指摘する意見もある。

次に噴火する火山はどこか? 御嶽山→富士山→首都直下地震… 悪夢のシナリオも!?の画像3富士山「YouTube」より


・「首都直下地震」との関係

 元前橋工科大学教授の濱嶌良吉氏は、10月2日付け「日刊ゲンダイ WEB版」の取材に応じ、「1979年の御嶽山噴火の5年後、長野県西部地震(M6.8)が起きている。その地震で御嶽山の一部に山体崩壊が見られた。噴火との関連が考えられます」と語っている。さらに濱島氏は、富士山も地震と密接な関係にあり、「1703年の元禄関東地震の4年後に富士山が噴火しました。御嶽山→富士山→首都直下地震の連鎖も心配です」と述べている。

 文献に残る中でもっとも大規模な富士山噴火は、平安時代の「貞観大噴火」(864年~866年)だが、やはり「貞観地震」(三陸沖、869年)、「仁和地震」(南海トラフ、887年)などの大地震が後を追うようにして発生している。御嶽山噴火が富士山噴火を呼び、そして首都直下地震につながる――。そんな悪夢のようなシナリオにも備える必要があるのかもしれない。


・「南海トラフ地震」との関係

 立命館大環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所の高橋学教授は、御嶽山と南海トラフ地震との関連を明確に指摘する。「御嶽山の噴火は、南海トラフ地震に影響するフィリピン海プレートの圧縮を受けて生じているのです。同様の力を受けて、九州では、桜島、霧島新燃岳、口永良部島などで噴火が始まっています」(「日刊ゲンダイ」、同上)というのだ。加えて、「大阪を南北に貫く上町断層など西日本の活断層が、内陸直下型地震を起こしかねない」とも指摘している。


 3.11を機に、東日本だけでなく日本中で地殻変動が活発化しているとされるが、今回見てきたように、火山噴火と大地震の連動性にも目を背けることなく、「いつ何が起きても不思議ではない」ものとして、日々注意を払わなければならないだろう。


百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、Web:『沙龍家』、Twitter:@noya_momose

※百瀬氏が企画・執筆したコンビニムック『予言・天変地異』(ダイアプレス)、発売中!

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