完全黙秘はどこまで可能か?「名無し」のままで刑務所に行ける?
■名無しなのに前科がバレたのはなぜ? なめてはいけない警察の犯罪者データベース
―― ところで、今回の事件の犯人の前科はどうしてわかったんですか?
ごとう さきほど申し上げだとおり、指紋採取は強制で、逮捕されれば指紋のデータは残ってしまいますからね。身元を明かさない被疑者を特定するために指紋データの照会をかけたと思われますが、それでこの「名無し」の前科がバレてしまったわけです。
警察の捜査用のデータベースはナメてはいけませんね。交通違反程度の犯罪でも、一度指紋を登録されたら、おそらく死ぬまでデータベースに登録されていると思った方がいいでしょう。
―― でも、過去の犯罪でも今回の名無しさんは、自分の素性を明かさなかったんですね。
ごとう そうなりますね。指紋で個人は特定できても、過去の事件でも自分の素性を黙秘し続けたことになります。それ以前は交通違反すらなくて、違反歴・犯罪歴は“真っ白”だったんでしょう。これはある意味すごいことです。
でも、警察に逮捕されて、自分の身分も明かさないような被疑者は、まず間違いなく最大勾留期間である23日は、留置場に身柄を拘束される事になります。また起訴された後も身元が明らかでない以上、保釈したら行方不明になってしまいますから、引き続き裁判が終わるまで拘置所で身柄拘束が続くわけです。
現行犯で犯行そのものを認めていれば、裁判は1カ月間程度で終わります。しかし、その裁判が始まるまでには通常、2カ月程度かかるので、逮捕から裁判で判決が出るまで4カ月近く不自由な拘束生活を強いられつつ、自分の素性を黙り通した犯人の精神力は大したモノだと思いますよ。
今回の事件の被告は、裁判の冒頭、「(今まで黙っていたから、今回も)言いません」と人定質問で氏名を名乗るのを拒否したらしい。よほど意志が強いのか、意固地になっていたのかはわからないが、ここまで意志を貫き通す強さをもう少し別な方向で役立てられれば、社会に戻っても成功できるような気もするのだが…。
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2024.10.02 20:00心霊完全黙秘はどこまで可能か?「名無し」のままで刑務所に行ける?のページです。刑務所、ごとうさとき、名無し、完全黙秘などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで