エイリアンは赤くて暗い星にいる ?― 5分でわかる、赤色矮星の謎

■かつて「赤色矮星」に生命体はいないと思われていた、5つの理由

1. 液体がなく、気候に偏りがある

 赤色矮星は光が弱いので、惑星は恒星(赤色矮星)に「ものすごく近い軌道」を回らないと生命に必要な水が液体になれないとかんがえられるからだ。恒星から遠すぎると氷になってしまうし、近すぎると水蒸気になってしまうからだ。惑星が恒星に近いところを回ると、潮汐ロックがかかりやすくなる。潮汐ロックというのは例えば月がいつも地球に同じ面を向けて回っているように、自転と公転が一致することだ。赤色矮星から近い軌道を回る惑星は潮汐ロックがかかりやすく、同じ面を恒星に向けて回るようになると考えられる。すると、常に恒星の方を向いている「常昼半球」は常に昼間で灼熱地獄になり、逆に常に恒星とは逆の方を向いている「常夜半球」は常に夜で極寒地獄になる、というわけだ。

2. 植物の光合成が不可能

 赤色矮星は表面温度が低くて光が弱く、植物が光合成をするだけのパワーが無い。我々の太陽の表面温度5540℃に対して、赤色矮星の表面温度は3150-3260℃と低い。そのために赤っぽくて弱い光しか出さず、周囲を公転する惑星の植物が光合成をするのに十分な光が得られない。また、赤色矮星は暗いので、周りをまわっている惑星の植物は光合成ができない。

3. 液体を保持できない

 惑星が液体の水を保持できて生物が生息可能な、恒星からの適度な距離の軌道範囲を「ゴールディロックスゾーン」という。赤色矮星は、ゴールディロックスゾーンが狭く、その狭い範囲で惑星が公転することはあまりないであろうという考え。

エイリアンは赤くて暗い星にいる ?― 5分でわかる、赤色矮星の謎の画像2ゴールディロックスゾーン

4. 生命が誕生しても、すぐに死ぬ

 恒星の近くを公転する惑星は、フレアという爆発にさらされやすく、たとえ生物が生まれてもすぐに死滅してしまう。

5. ゴールディロックスゾーン(生物が棲める軌道範囲)が狭すぎてそこを回る惑星はないだろう。


 そういうわけで今まで赤色矮星は地球外生物の探査対象からはずされていたわけだ。中でも「潮汐ロック」は地球外知的生命探査の人たちから言わせると最悪の条件だろう。

 だが…、そんなことはなかったのである!

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