地震がきたら大量脱獄者発生? ニッポンの刑務所「脱獄」事情!
――刑事問題に詳しいライターごとうさときが斬る!
■法務省が予算請求額を倍増!
2015年度、法務省の予算請求額のうち、刑務所を含む刑事施設の建替えや補修に関する請求金額が、昨年度の約153億から345億円へと大幅に増額した。理由は、現在日本国内にある刑務所関連施設およそ300のうち、半分近くの144の刑事施設が現行の耐震基準を満たしていないからである。
東日本大震災の際には、東北や北関東地区の刑務所で、天井の一部が崩落するといった被害も発生しており、法務省としては、本格的に刑事施設の改修を行いたいのであるが、ネットでは賛否両論である。ではなぜそこまでして改修工事をするのだろうか?
■脱獄の難易度は世界トップレベル?
日本の刑務所は脱獄事件が少ないことで知られている。戦後の昭和期でも年間数件で、平成に入ってからはほぼ皆無。刑務所の看守の中には、一度も脱走事件に遭遇することなく退官した者もいるのである。
近年発生した脱獄事件は、2012年広島刑務所で中国人受刑者が脱走した事件だ。この事件はたまたま刑務所の外塀に補修工事用の足場が組まれていた上、刑務所側のミスで防犯ブザーがオフになっていたなどの事態が重なったから成功したと言われている。
とはいえ、当時報道された受刑者の脱走経路を見ると、3メートル近い壁から飛び降りたり、雨どいを伝って2階建ての事務棟の屋上に上ったり…と、脱走を成功させるためには、スポーツエンタメ番組『SASUKE』の全ステージを完全制覇できるレベルの体力が必要だろう。
■改修は間に合うか?
現在の刑務所は、監視カメラの充実や施錠システムの電子化などで、より脱獄しにくくはなっているが、施設全体の老朽化は無視できない状況にある。
ただ、日本の刑務所で脱獄事件が少ない本当の理由は、こうした刑務所施設の厳重さより、脱走して無駄に罪を重くするより、早く刑期を終えて出所したほうがマシだと考える日本人受刑者独特のメンタリティにあるかもしれない。
しかし近年外国人受刑者の数も激増しており、もし天災によって刑務所の塀が壊れて脱獄可能になった場合、そこから大量に受刑者が逃げ出すといった事件が発生することは決して絵空事ではないのだ。
(文=ごとうさとき)
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