色彩は映像の印象をここまで変えてしまう! 写真家が解説!!
映画に欠かせないカラーグレーディングとは!?
『カラーグレーディング』とは、単に映像の明るさやコントラストを調整するだけでなく、その作品に合った独特な雰囲気を創り出すための技法を言います。つまり、実際に見たままの雰囲気に近づけるのが目的ではなく、製作者が意図するイメージに近い雰囲気を出すことを目的としているのです。
先に述べたキタノブルーをはじめ、緑がかった映像が特徴の『マトリックス』、どんよりした雰囲気の映像を醸し出した『セブン』や『ファイトクラブ』で有名なデビッド・フィンチャー監督作品など、様々な“カラーグレーディングされた映画”があります。映画に限らず写真の世界でも、蜷川実花による独特のビビッドな絵、荒々しい「アレ・ブレ・ボケ」のモノクロームで世界的に有名な森山大道など、挙げればきりがありません。
一時期フィルム存亡の危機が囁かれた時期もありましたが、最近ではまたトイカメラフィーバーが発端となり、フィルムで撮影する人が増えてきました。かつては、独特な色彩を出すために「クロス現像」や「銀残し」、わざと高温にした現像液で処理するなど、様々な処理技法がありましたが、現在は、パソコン上でそれらを再現できます。
このショートムービーを手がけたオフィス「Grade」では、「カラーは皆が思う以上に専門的な分野です。このショートムービーを通して様々な人と意見交換する機会ができ、私たちにとっても実に有益なことだと思っています」とコメントしています。
「Grade」の公式ホームページでは、サイト上でスライダーを動かして効果を確認できるようになっているので楽しいですよ、是非覗いてみてください。
・ 「Grade」公式サイト http://www.gradekc.com/
モノクロしか撮れないのに100万円もするデジカメ
次々に発売されるデジタルカメラ。最近では撮影後にピントの位置を変えられる「LYTRO ILLUM(ライトロイルム)」が発売されたりと、決定的瞬間という言葉すらなくなってしまうのではと思うほどですが、その中でもダントツに異彩を放っているのが2013年に発売された「LEICA M MONOCHROM」ではないでしょうか。ライカといえば、あのちびまる子ちゃんに出てくるタマちゃんのお父さんが持っていることでも有名ですが、この歴史あるカメラがゆえのストイックさを感じます。かつては、ライカ1台で家一軒立つとさえ言われた時代もありましたが、モノクロしか撮れないカメラに100万円を出すのは相当な勇気が要りますね。
最近ではスマートフォンで撮影した写真をTwitterやFacebookなどのSNSに投稿する際、フィルターをかけてより良く見せようとする場面は多いと思います。色彩の奥深さ、本当に面白いものですね。
※サイト上に掲載されている写真の一部は、オフィス「Grade」からの使用許可を得て掲載しています。
■新納 翔 Niiro Sho
写真家。1982年横浜生まれ。日本の三大ドヤ街のひとつである「山谷」にて、実際に働きながら7年間写真を撮り続ける。写真集に『Another Side』(Libro Arte)等。最近は移転に揺れる築地市場をテーマに撮影している。
特設サイト「築地0景」 http://itot.jp/tsukiji-zero/
ホームページ http://nerorism.rojo.jp/
Facebookページ https://www.facebook.com/NiiroShoPhotography
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2024.10.02 20:00心霊色彩は映像の印象をここまで変えてしまう! 写真家が解説!!のページです。映像、新納翔、色彩などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで