70歳で出産した老婆「跡継ぎ息子が欲しかったから」=インド
一般に女性が子どもを授かることができるのは、40代までと考えられている。卵子が歳とともに減少・老化するため、高齢になるほど妊娠しにくく、また流産や胎児の先天異常のリスクも高まるのだ。しかし神秘の国インドには、なんと齢70にして双子を妊娠・出産したオムカリ・パンワーさんという女性がいる。2008年当時、彼女の出産を世界のメディアが大々的に報じ、大きな話題となった。それから6年以上が過ぎ、彼女は今どうしているのだろう。
英「barcroft media」が今月19日に報じたところによると、現在76歳のオムカリさんは、夫チャランさん(89)と息子アカシュヴァニくん(6)とともに、インド北部ウッタル・プラデーシュ州で変わらず元気に暮らしていた。双子の娘バルサートちゃんを4歳の時に亡くすという不幸もあったが、一家はそれを乗り越え、幸せな毎日を送っている。ただし、6歳の子どもの育児は、高齢の両親にとってかなり骨の折れる仕事のようだ。元気いっぱいのアカシュヴァニくんのために食事を作ったり、服を着せたりと、両親はてんてこまいだという。
夫妻は、なぜ超高齢出産に臨んだのか?
実はオムカリさんとチャランさん夫妻には、すでに2人の娘と、5人の孫もいる。長女の年齢は50歳を超えているようだ。それでも夫妻が子どもをつくろうとした理由は、「一家の跡継ぎ息子がほしかった」から。しかし、2008年時点で70歳のオムカリさんが自然妊娠することは当然不可能だったため、夫婦は卵子の提供を受け、体外受精によって双子を授かったのだ。
治療の高額な医療費は、土地を担保に入れ、家畜のバッファローを売り、さらに老後の蓄えも切り崩した上、カードローンを組むなどして工面したという。また、体外受精による妊娠が成功したからといって、息子が生まれてくるという保証などあるはずもない。そのため夫妻は、聖者と面会したり、寺院に参拝するなどして、ようやく「神が願いを叶えてくれた」のだと考えている。
「村を歩いていると、いつも『お孫さんですか』と聞かれますが、そのたびに『いいえ、息子です』と答えていますよ。息子との暮らしは、言葉で表現できないほど幸せです」
オムカリさんはこう語り、息子のいる生活の喜びを噛みしめる。夫妻に残された時間はもうそれほど長くはないが、
「心配していません。私たちが死んでも娘がアカシュヴァニの面倒をみてくれるでしょうから」
「ただ、息子が早く結婚してくれるといいですね。そうすれば2人とも彼の結婚式に出席できますから」
と将来についても楽観的だ。また6年前は、常軌を逸した高齢出産を希望した夫妻に対し、インターネット上や地元住民の間では、さまざまな批判が飛び交った。しかし現在、寄せられる反応はすっかり好意的なものに変わっている。
「オムカリさんがあの歳で子どもを授かったのはいいことです」
「私はあの選択は間違っていなかったと思いますよ。彼らには愛が溢れていますからね」(近所のママ友)
跡継ぎ息子を授かり、娘や孫たちに囲まれて暮らすオムカリさんは、今まさに幸せな人生を謳歌している。夫妻の長寿と、アカシュヴァニくんの健やかな成長を祈るとともに、70歳を超えた出産という人体の神秘に思いを馳せずにいられない。
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