「日本人シュメール起源説」の証拠が『進撃の巨人』ロケ地にある? ~熊本・押戸石の丘~
日本のペトログラフ研究の第一人者とされる吉田信啓氏の著書『日本のペトログラフ』(六興出版)によると、押戸石のペトログラフは、1988年に南小国町教育委員会の職員が発見したという。ピラミッドのような形をした「太陽石」と呼ばれる巨石に、シュメール文字で「イルガガ(祈る・雨)」「神」「大地母神」「男神」など、原始信仰に関わる言葉が刻まれているらしい。昔はこの太陽石に登ると雨が降るとの言い伝えがあったというが、雨乞いなどにも用いられていたのだろうか。
しかし、どこにペトログラフがあるのか、筆者も同行者も見つけ出すことはできなかった。岩全面に3本刃の熊手を立てたような線が刻まれており、それが下の図で示す「男神」を意味する文字だったのかもしれない。ただ、それにしては溝が深すぎる気もするので、自然の造形である可能性も否定できない。
・ シュメール人は日本に渡来した!?
それにしても、なぜ古代メソポタミアのシュメール人が使用していた楔形文字が、遠く離れた日本の岩に刻まれているのだろうか? この謎に答えるものとして、「日本人の起源が古代シュメールにあった」という驚くべき説が存在する。
既存のアカデミズムからはトンデモ扱いされているが、「日本人シュメール起源説」の歴史は古く、元禄時代に渡来したオランダ人歴史学者、エンゲルベルト・ケンペルが初めて提唱したものだ。日本史を研究した彼は、「高天原(『古事記』において、日本をつくった神々が生まれたとされる場所)はバビロニアにあった」という結論に至る。この説は、大正時代の原田敬吾氏、そして現代では民間研究者の一人である岩田明氏などに受け継がれた。岩田氏は、著書『消えたシュメール人の謎』(徳間書店)の中で、「4000年ほど前に海洋民族であったシュメール人たちが海を渡り、南インド~東南アジアを経由し、行く先々に根拠地をつくりながら日本に渡来したのだろう」と述べている。なんともロマンあふれる興味深い話だ。
いずれにしても、実写版映画『進撃の巨人』を製作中の樋口真嗣監督は、このような話があることを知ってか知らずか、「押戸石の丘」をロケ地に選んだわけである。ペトログラフや「日本人シュメール起源説」の真偽はともかくとして、それらを頭の片隅に置きながら映画を鑑賞すると、また別の楽しみ方ができるかもしれない。
百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、Web:『沙龍家』、Twitter:@noya_momose
※百瀬氏が企画・執筆したコンビニムック『2015予言 戦慄の未来記』(ダイアプレス)、大好評発売中!
【参考】:「押戸石 公式サイト」、ほか
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