ホラーとしてはZ級!? インド発のユル~イ娯楽ゾンビ映画『インド・オブ・ザ・デッド GO GOA GONE』
また、ゾンビ映画はB級C級の低予算映画であることが各国共通のポリシーでもあるが、撮影場所を小島の野原や浜辺、ジャングルという大自然を舞台にした低予算っぷりにも注目だ。ゾンビの群れも、何やら地元の住民をかき集め、簡単なゾンビの特殊メイクでフラフラと歩かせるだけの安易さ。全編を通じて感じる安っぽさこそが、ゾンビ映画の真骨頂なのだが、それは本作でも十分に生かされている。つまり『バイオハザード』シリーズやブラッド・ピット主演の『ワールド・ウォーZ』(13年)などのようなCGを駆使した超大作は、ゾンビ映画特有の手作り感がないので邪道だと思うその気持ちはインド人にも共通していたということだ。そんな本作にも何故かCGを使ったカットが少しだけ挿入されているが、観客が納得するほどの効果は発揮しておらず、そこがまたインド流の妙な魅力となっている。
■世界で作られるゾンビ映画
さて、本作をどう楽しむか。
本作『インド・オブ・ザ・デッド GO GOA GONE』を観る前に、欧米から派生したゾンビ映画のアジア版を知識として列挙しておこう。
日本でのゾンビ映画第1弾となるのが室賀厚監督の『JUNK 死霊狩り』(00年)だろう。その後、王道の低予算ゾンビ映画が続々と製作されている。数ある中で、筆者のお気に入りが、エログロ・ナンセンス度の高い『ゾンビアス』(12年)や『君はゾンビに恋してる』(11年)、『レイプゾンビ LUST OF THE DEAD』(12年)の3本。その悪趣味感とえげつなさは一見の価値あり。
香港では86年に『カンフー・ゾンビ』(日本未公開)が発表されているが、日本で大ブームを巻き起こしたのが、キョンシー映画『霊幻道士』(86年)。アジアのゾンビとも言えるキョンシーは大ヒットし、後にシリーズ化された。
韓国にもゾンビ映画がある。ゾンビウイルスに侵された世界をテーマに描いた6編のオムニバス・ホラーで、『隣りのゾンビ ~The Neighbor Zombie~』(10年)という邦題で公開された。
そのほかの国のゾンビ映画では、インドネシア:『夜霧のジョギジョギモンスター』、フィリピン:『ホスピタル・オブ・ザ・デッド 〜閉ざされた病院〜』、パキスタン:『パキスタン・ゾンビ』、タイ:『SARS Waes』と『The Implanted スクール・オブ・ゾンビ』(いずれも日本未公開)がある。
おすすめシチュエーション
(落ち込んだとき見るのがおすすめ)
お気楽で底抜けに明るい、インド発のゾンビエンタテインメント!!
とにかく楽しめ、楽しめ、楽しんだもの勝ち!!
怖さ度 -1
楽しい度 5
オシャレ度 0
マニア歓喜度 1
びっくり度 0
(文=深沢光太郎)
■劇場公開日
3月21日(土)~ ヒューマントラスト渋谷
4月~ シネ・リーブル梅田にてレイトショー
■配給
オデッサ・エンタテインメント
■上映時間:107分
■出演:サイフ・アリー・カーン/クナール・ケームー/ヴィール・ダース/
プージャー・グプタ―/アーナンド・ティワーリー
■公式サイト:http://www.odessa-e.co.jp/india-of-the-dead
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