またアメリカのマッチポンプか?「イスラム国」化学兵器使用で浮上する陰謀説

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 先日、「なぜ中国人は「イスラム国」(IS)に拉致されないのか」という記事がありましたね。ISと中国の関係が緊密なものであるということが書かれていました。実際に、今まで「ISの資金源は原油密売」と言いながら、「では、誰が石油を買っているのか?」についてはほとんど報道されていません。海外メディアでは中国石油化工やペトロチャイナなどの固有名前を散見しますが、日本メディアは沈黙しているばかりです。日本人の人質事件があり、2人の尊い命が奪われたにもかかわらず…。

 さて、では本題です。

 3月16日、ISと戦闘を続けるイラク北部のクルド自治政府の当局者は、塩素ガス攻撃がこれまで3回あったと明らかにしました。

 では「ISは塩素ガスをどこから手に入れたのか?」について、その入手経路を思考します。

 本来、「イスラエル」を中心とした中東情勢は「世界の火薬庫」といわれるほど危険なもので、いつ火がついて爆発してもおかしくはないといわれながら何十年も放置されている状態です。それは、旧西側諸国、特にアメリカが支援しているイスラエル・ユダヤ組織系と、一方で、反米的な感覚を持っている「イスラム教勢力」およびその「支援勢力」というような形に、大きく二分され、その大きな二分の中でもさまざまな小さな集団とその集団間の争いがあります。

 80年代のイラン・イラク戦争は、まさにその前哨戦でした。イランのホメイニ師を指導者としたイスラム教シーア派と、イラクのサダム・フセイン(スンニ派)の戦いにおいて、その時のアメリカはスンニ派と組んで、イラクを支援していました。

 しかし、90年代後半からアメリカはイラク、要するに「イスラム教スンニ派」と対立するようになります。同時に、アメリカにそれまで手を貸していたウサマ・ビン・ラディン(スンニ派)とも対立するようになります。アメリカの庇護を受けながら、中東での地位を作り上げたフセインとビンラディンは、もう片方は国家として、片方はテロリストとしてアメリカに対抗するようになります。その頃から、活動を開始したのが現在のIS(スンニ派)です。

 さて、そのような中、中東では「アラブの春」が起きます。けれども、その内容は「民主化」といいながらも「アメリカ」や「EU」に組み込まれていくだけで、逆に混乱と悲劇を招いたといっていいでしょう。この「民主化」と対抗して「独裁政権の維持」を主張したアサド政権と、一方で、それに対抗する「反アサド政権」に分かれたのがシリアということになります。

 アサド政権側の「反米・反EU」の理念は、ISも同じです。結局、アサド政権とIS、そして、その時にクリミア半島問題でEUと対立しているロシア、そして、表面ではうまくかわしているが、陰で陰謀を張り巡らせている中国というように、反米反EUが「緩やかな連合体」を作る構図になっています。

 このように書くと、「塩素ガスはロシアや中国がISに渡した」と単純に考える方が少なくありません。しかし、これらの国は「緩やかな連合体」でしかない。また、地理的に離れているロシアや中国が、簡単に塩素ガスのような国際条約に禁止している兵器をISに渡せるとは思えません。

 それでは誰が塩素ガスを最初に持ち込んだのでしょうか。

 怪しむべきは「アメリカ」です。

 いや「アメリカ」と断定してはいけないのでしょう。私が、わざわざ上記にイラン・イラク戦争について書いたのは、「アメリカの陰謀」を知っていただきたかったからです。

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