【LGBT】同性パートナーとの結婚式で注意すべきこととは?
東京都渋谷区で同性同士のパートナーに対し、結婚に相当する「パートナーシップ証明」を発行する全国初の条例案が、先月31日の渋谷区議会で可決された。これに先立ちブライダル事業者向けにLGBTについての理解を求める研修会が先月25日に東京都内で開かれた。
この研修会では結婚をはじめとしたLGBTビジネスを手がける株式会社Letibee(レティビー)の呼びかけによりブライダル事業者9社が集まった。研修は、自身もLGBT当事者である同社代表取締役・外山雄太氏によるレクチャーから始まった。
まず、LGBTの基礎知識としては、体の性と、心の性、性的指向の3つの組み合わせで成り立つことが示される。同性婚というと、ゲイ同士の結婚は双方がタキシード、レズビアン同士であれば双方がウエディングドレスを着るのだと勘違いをしがちだが、それはまったくの誤解である。もし、体が男性でも心が女性であれば、女性としてウエディングドレスを着たいと望む男性もいるのだ。
さらに研修ではLGBT同士の結婚を進めるにあたり、実例を踏まえた注意点があげられた。先述した結婚式の衣装はもとより、主賓である親族や職場の人間との関係がよくない可能性、意図せぬアウティング(暴露)につながる可能性があるなど、慎重に取り扱うことが必要だという。
また、最後には参加者を交えた、LGBT同士の結婚に関するワークショップが行われた。参加したブライダル事業者からは
「結婚式を施工する立場からすると、細かい配慮を行えば、そう難しい話ではない」
といった声が出る一方で
「ブライダルのコーディネートがうまくいっても、会場がNGを出してしまうケースが考えられる」
といった声も聞かれた。
現在、LGBTの割合は全人口の5%程度といわれており、およそ20名に1人の割合で存在する。加えて、株式会社Letibee(レティビー)の調査によれば、LGBTカップルのうち、結婚式を望む割合は約6割におよぶという。既に海外では同性婚が盛んであり、ハワイではノンケを含めた全カップルの7組に1組が同性婚ともいわれる。このように需要が存在しているにもかかわらず、日本では同性婚を扱う企業がほとんどないに等しい。今回の「パートナーシップ証明」の発行を機に、今後、LGBTのブライダルビジネスが拡大する可能性があるが、いずれにせよ、LGBT当事者同士の結婚式には周囲と社会がきちんと理解をすること、ブライダル事業者による細かな配慮が必要であることは間違いなさそうだ。
(文=平田宏利)
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