笑顔で国籍が判明する?研究者「日本人は笑顔が消えることに敏感」
笑顔は万国共通のコミュニケーションツールだ。なにげなく微笑んでいるように見えて、実はあらゆる感情を表出している。喜び、困惑、恐怖心、そして男女の機微まで。そんな奥の深い笑顔ではあるが、実はこの笑顔から国籍を判別することが可能かもしれないというのだ。
■笑顔に“お国柄”がある
5月6日に、英紙「Daily Mail」や医学情報サイト「Medical Daily」が掲載した記事によると、アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校とイギリス・カーディフ大学の心理学者チームが「スマイル文化」を共同研究中と伝えている。
彼らは32カ国5,000人を対象に、さまざまな場面での人間の顔面反応を調査した結果「アメリカ、カナダ、ジンバブエ、オーストラリアは感情表現が豊かで笑顔が多い」そして、「香港、インドネシア、バングラディッシュ、ロシア、スイスは感情をあまり表に出さず、笑顔も少ない」ことがわかった。特に、香港は32カ国中、最も無表情となっている。
研究チームはこの結果に対して、「各国人の笑顔の違いには、『移民文化』の有り無しが影響しているのではないか」と分析している。調査主任であるウィスコンシン大学の心理学者ポーラ・ネディサル教授は、心理学の機関誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」上で、「共通する文化や言語をもたない状況にあるとき、人間は感情表現を非言語コミュニケーションに頼ろうとする」と述べている。そして、アメリカやカナダのような500年に渡る「移民国家」では、移民者同士で異なる文化や言葉の壁をもつ混沌とした社会だったからこそ、顔の表情でもって必死にコミュニケーションを取るしか生き抜く術がなかったのではないかと推論している。それが結果的にアメリカ人のオーバーなボディーランゲージやコミカルな表情につながり、笑顔での意思疎通を最も得意とする国民にしているのではないかというのだ。
■日本人は笑顔が消えることに敏感
一方、単一民族国家である日本については「日本人が笑顔を見せるとき、相手に敬意を示すとき、または気後れや不満を隠すために『笑ってごまかす』ときである」と指摘している。さらに、「When Your Smile Fades Away(あなたの笑顔が消えるとき)」というネディサル教授による別の研究では「アメリカ人と比較した場合、日本人は必要以上に人目を気にしたり、他人の期待に応えようとがんばり過ぎる傾向がある。また、相手の顔から笑顔が消えることには敏感だが、他の感情(悲しみ等)が消えることには鈍感」と分析している。
日本人の分析は見事に当たっているのではないだろうか。
この研究を知っておけば、たとえ愛想のない香港人に会ったとしても「これもお国柄」と、あまり目くじら立てないですみそうだ。
(文=佐藤Kay)
参考:「Daily Mail」、「Medical Daily」ほか
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