写真家が見た、名古屋ゴミ屋敷・家主の本音と人柄
名古屋ゴミ屋敷家主の怒りと本音を直撃!「家にゴミはない」「本当は資源屋敷」
そのゴミ屋敷で暮らしている家主は50代後半で、無職だ。以前は父親の経営する会社で働き、大学も卒業しており、現在は働いていた時に貯めた貯金と父親の死後に譲り受けた財産で生活をしているらしい。家の屋上には空き缶が大量に放置され、路上にも、空き缶をはじめ拾ってきたゴミであふれかえっている。
家主は私の取材に対し、
「今まではよかったけど、もうそろそろやばいね。ギリギリの生活だ」
と語っている。
これだけ大量のゴミがあれば、そこそこのお金になるのではないだろうかと思うところだが、家主はゴミを売る(片付ける)気持ちはあるが、なかなか行動には移せないらしい。
そして、「メディアは面白い部分ばかり、切り取って使うんだ。もう、散々な思いだ。いいことばかり言って取材をさせて、できあがったのは汚くて大量のゴミ屋敷に住む住人。家の中はゴミなんて少ししかない。家にも入ろうと思えば入れる。家の入口のドアに駐車場から辿り着けないだけだ。それに、皆はゴミだと言っても、これらは資源だ。だから、本当は資源屋敷だ」
と怒っていた。
実は先日、某テレビ局の取材に対し機嫌を悪くした家主が取材陣のカメラを奪い取り、警察まで出動する騒ぎになったばかりだった。
確かに「家の内部がゴミでいっぱいになったから仕方なく外で生活を送らなければならなかった」というニュアンスの報道が目立つ。だが、家主の主張どおり、本当に家の内部にゴミがなかったとしたら、今までの報道は行き過ぎたものになっているということになる。真実はわからないが、とにかく家主はこの騒動に疲れてきている様子だった。
しかし、メディアに不満を漏らしつつも、人がいい家主なのだ。サービス精神豊富な彼は、私に不満を漏らした数分後には再び取材陣の質問に応えるのである――。
(吉田尚弘/フォトジャーナリスト)
吉田尚弘(よしだたかひろ) フォトジャーナリスト。世界中のスラム街の取材をはじめに、貧困や教育問題の取材を続ける。過去にはシリア内戦にて、戦闘部隊の従軍しながら戦場の最前線を取材。日本国内では、講演会活動に力を注いでいる。
・http://takahiro-yoshida.flips.jp/
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