新幹線焼身自殺事件に“思わぬ波紋” JRがマスコミに無言の圧力か?

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 新幹線の「安全神話」が崩れ去った。

 車内で焼身自殺を図った71歳の男を含む2人が死亡し、11人が重軽傷を負う惨事となった東京発新大阪行き東海道新幹線「のぞみ225号」の放火事件。

 火災の一報があった30日、火に包まれた車両が乗り入れたJR小田原駅には、多数の報道陣が駆け付け、騒然とした雰囲気に包まれた。

 列車が駅に入る直前の同日午後3時前、カメラマンや記者がひしめく駅のホームでは、暗闘が繰り広げられていた。

 「報道陣と事態の収拾を図るJR東海の職員との間で取材をめぐる攻防が起きた。ホームには規制線が張られ、その内側で記者たちは今か今かと列車の到着を待つ。一方で、複数のJR職員がその場が混乱しないように待機し、現場は殺気立っていました」(取材に当たった夕刊紙記者)

 状況が一変したのは、「列車がまもなく到着する」という情報が流れた直後、1人のJR職員が放った一言がきっかけだった。

 「取材はできなくなりました。皆さん、ホームから降りて下さい!」

 これには報道陣が「事故の現場を取材させないというのはどういうつもりか」「ルールを守ってやっているのになぜだ!」などと猛反発。

 その後も取材の許可を求めるカメラマンが「取材できない理由を説明してほしい」と食い下がるが、職員は「広報から許可が下りていない」と不可解な理屈を持ち出すばかりで一向にらちが明かない。

 やがて、「ふざけるな」と怒りをぶつける報道陣と「あなた、どこの社ですか?」と応酬するJR職員との間で一触即発の危険なムードが漂い始める。列車到着間際になって、ようやく取材許可が下りたものの、

「現場の“仕切り”の悪さに記者たちは不満タラタラ」(先の記者)だったという。

 疑問が残る対応がみられたのは、現場だけではなかった。

「JR側は、電話で取材した記者にも『詳細は不明』『折り返し電話する』と木で鼻をくくったような物言いを繰り返していた」(別のスポーツ紙記者)

 居丈高にも映るJR東海の報道対応。マスコミと同社の関係を知る関係者の中には穿った見方をする者もいる。

 ある夕刊紙の幹部は「東海に限らず、JR各社の駅売店は特にスポーツ紙や夕刊紙などの即売紙にとっては、大きな収益源になっている。その“売店利権”のために、マスコミの側にも『下手なことは言えない』という空気がある。JR東海の対応を見ていると、そんな事情を踏まえた上で『余計なことを書くな』と暗黙のプレッシャーをかけてきたようにも思える」と声を潜める。

 新幹線の中で起きたものとしては、前代未聞の事故だっただけに思わぬ波紋を広げたようだ。
(文=KYAN岬)

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