エーラス・ダンロス症候群 ― 身体がバラバラになる少女は口も縫い合わせる=イギリス
エミリーの母カレンはそんな娘について、「こう言うのは嫌いだけど、エミリーがこの状態になっているのを見ると、彼女が押しつぶされているように見えるのよ。彼ら(医師たち)は本当にもう全然(エミリーの)部屋を訪れてくれないの。それは私が1日に2回、来なきゃならないってことよ…中略…彼ら(医師たち)がエミリーの世話を面倒に思っていたりするので、関節が外れた場合は、医者ではなく自分たちで元の場所に戻しているわ」と切実な思いを語っている。
■手術費用をクラウドファンディングで募る
エミリーが11歳だった時から長く続く闘病生活をもってしてみれば、看病に関するそんな不満が漏れるのも無理はない。それどころか、ジェームズ一家は、夫以外の家族3人全員、この病気を患っているのだ。母カレン、長女サラ、長男スコット、そしてエミリーである。
サラ、スコット、そしてカレンともに脆弱な皮膚、すぐに脱臼する関節に悩んだが、兄弟の中で最も深刻なのがエミリーなのだという。11歳で診断されてからというもの多くの時間を病院ですごしてきたエミリーは、ほとんど中学校にも通えていない。
現段階での唯一の望みは、アメリカにいる専門医にみてもらうことだけだという。しかし、イギリスに住むこの一家が専門医とコンタクトを取ることは、たとえばたった30分の相談だけでも200ポンド(日本円にしておよそ3万9千円)と高額な費用が掛かる上、もちろん治療にともなうX線、スキャン、MRI、手術など気の遠くなるような期間と費用が発生する。もちろん、ジェームズ一家にはそこまでの余裕はない。
そこで一家は、主に寄付や慈善活動にのみ利用されることでしられるクラウドファンディング「GoFundMe」にて募金のアカウントを設立した。
「わたしたち家族は、目標額に達成するのかどうかさえわからないけど、答えをさぐるのに必死なの…中略…彼女の人生は、病室だけで過ごす毎日であってはダメなのです。彼女と、エーラス・ダンロス病について少しでも知っている人がいれば、何かを提案してほしい」という母カレンの悲痛な叫びである。
資金調達が順調に進み、可能な限り早い時点での本格的治療に進めることを心から願うとともに、病気自体のさらなる研究が進むこと、認知が広まることに期待したい。頑張れ、エミリー!
(文=ODACHIN)
参考:「Daily Mail」ほか
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