中国が国家レベルで「地震予知」を研究!! 動物の異常行動で地震は予知できるのか?
実際、かつて中国では国家規模で地震予知を試み、直下型の大地震が起きる直前に住民を避難させたこともあった。最も成功した例は、1975年2月4日に遼寧省で発生したM7.2の海城地震で、政府による避難勧告により10万人もの命が救われた。海城市地震局の職員によれば、地震の前に午や豚が逃げ出し、ニワトリが鳥のように飛び、ネズミが人を恐れなくなったという。このような異常行動も、頭痛などの症状で錯乱したり、意識がもうろうとして鈍くなった結果である可能性は否定できないだろう。
■日本の地震予知にも生かせ!
では、このような研究を日本でも地震予知に活かせないだろうか? 中国の国土は広大なだけあって、地震の多くは内陸の直下型地震として発生する。これに対して日本では海溝型地震が多いこともあり、中国ほど顕著で緊迫した動物の異常行動が観測されることは多くない。このような違いはあるものの、日本では科学的測定機器を用いた予知を含めて様々な地震予測方法が試みられており、それらと動物の観察を組み合わせたかたちで地震予知を行うことは可能ではないかと思われる。
気象庁の公式ホームページに記載されている「よくある質問集」には、「動物や植物は地震を予知できるのですか?」という質問がある。その回答を見ると、動物が電磁波などの前兆現象を感知することがあるかもしれないとした上で、しかし動物の行動自体にまだわかっていない部分が多く、地震の前兆現象もまだ解明できていない部分が多いことから、「『地震雲』と同様に、動植物の行動・反応を観察することで実用的な地震予知を行うのは極めて困難と言えます」と結論づけている。
筆者としても、その点には同意できる。しかし、首都圏を襲う巨大地震では多数の犠牲者が出る可能性が指摘されている。たとえ低い精度でも、地震予知の可能性を追求することは無駄ではないと思うのだ。前述の池谷氏のように、動物前兆について真剣に研究する科学者がさらに出てきてほしいものだ。
百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、Web:『沙龍家』、Twitter:@noya_momose
※百瀬氏が企画・執筆したコンビニムック『2015予言 戦慄の未来記』(ダイアプレス)、大好評発売中!
参考:「中国新闻网」、「AFP」、「中国日报网」、「Discovery News」、「BBC News」
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2024.10.02 20:00心霊中国が国家レベルで「地震予知」を研究!! 動物の異常行動で地震は予知できるのか?のページです。中国、地震予知、サイキック、電磁波、宏観異常現象などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで