【戦後70年特集】怪力光線、巨大モンスター…、戦時中に開発された「幻の兵器」ベスト3!

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 第2次世界大戦――。言わずと知れた人類史上最大の戦争であり、日本にとっては靖国問題など、この戦争に起因する近隣諸国との軋轢が今も取りざたされるなど、長く尾を引く問題となっていることは周知のとおりだ。そんな戦争時代、優れた性能で他国軍を圧倒した日本の「ゼロ戦」、現在の巡航ミサイルの始祖とも言えるドイツの「V1ミサイル」、そして広島・長崎に投下されて甚大な被害をもたらしたアメリカの「原子爆弾」……と、さまざまな兵器が開発され、使用されたこともよく知られた話だろう。

 しかし、それらの成功した兵器の裏で、計画こそされたものの、開発中止になり、幻に終わった兵器も人知れず存在している。今回は、そんな幻の兵器の中でも、抜群の知名度、そしてユニークさを誇るものを3つ紹介したい。


■く号兵器

 日本陸軍の研究機関である登戸研究所にて、戦局を一気に挽回する最終秘密兵器として、終戦まで研究されていたのが、この怪力光線との異名を持つ「く号兵器」である。研究に携わった山田愿蔵の手記によれば、「くわいりき(怪力)」の頭文字から「く号兵器」と名付けられたこの兵器は、「電波」「衝撃波」「サイクロトロンを使った放射線」の3分野から研究が進められていたが、途中で衝撃波と放射線は開発中止となり、強力な超短波を使った研究に絞られたという。これは、いわば現代の電子レンジのような、波長の短い電波を照射することで、物質の水分子を振動させ、摩擦による発熱を起こして殺傷するという原理の兵器であったと言われている。

 日本が本土爆撃を受けるようになると、登戸研究所は長野県各地と兵庫県下に分散して疎開移転することになったが、この「く号兵器」は、飛来するB29へ超短波を照射することでエンジンをストップさせるという目的をもってなおも研究が進められた。しかし、電力のコストなどさまざまな障害が立ちふさがり、結局、実験設備の建設中に終戦を迎え、実際に兵器として運用されることはなかった。

 戦中戦後、SF小説や子ども向けの雑誌などに、この「怪力光線」が取り上げられることも多かったが、当時は電波というものが未来を感じるものだったのだろう。そんな不確実なものにひたすらに開発を注ぎこむという事自体、ある意味では愚かしいように感じてしまうのだが、そんな未来の力に戦況の打破を託さざるを得ないほど、当時の日本が追い込まれていたという事なのかもしれない。

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