緊急潜入! 中年男性が集う謎のデザイナーズ公衆トイレ
彼は2Fへと入ってくる我々に気づくと、目を合わせることもなくおもむろにスマートフォンを取り出して通話をはじめ、そのまま我々とすれ違うようにして、足早に階下へと向かった。我々が到着するよりもずっと前から、彼はこの場所に入り、滞在し続けていたのだろうか。だとすれば、それは一体どのような目的からなのだろう…。
その後、気を取り直して、2F部分の本格的な探索となったが、さすがはデザイナーズトイレ。壁の一部に嵌めこまれたステンドグラスも美しく、そこから初秋の木漏れ日が、ゆるやかに床へと舞い降りてくる。一見したところ不審な点はなく、さきほどの男性のものと思しき残置物なども見当たらない。だが、さらによく観察してみると、トイレの壁面には、
「寝泊まりや占拠の禁止」
「パイプの持ち去り禁止」
といった、なかなか強烈なインパクトを放つ警告文が、やたらめったら貼られていることに気づく。果たしてこれらは一体何を意味しているのだろう。
その後、我々が2F部分の探索を終え、再び1F部分に降り立つと、その眼前には、先ほど遭遇したサーモンピンク氏が、今なお帰ることなく佇んでいた。彼はしきりに電話で話し込んでいる様子で、スマートフォンを携えたまま、なぜかトイレの周囲をウロウロしている。そして、そこから数メートル離れたトイレの入り口付近には、彼が乗ってきたと思しき折りたたみ式の白いミニサイクルが!
その愛車のフロント部分には、なぜか「つながりやすさナンバーワン」で有名な某キャリアの「お父さん犬」のステッカーが貼られていた。イス部分までがオシャレにホワイトで統一されているところを見ると、どうやらこれは単にステッカーを貼っただけのものではなく、同キャリアが以前、キャンペーンの際にプレゼントとして提供していた伝説の『OTOUSAN BIKE』(ただし『COOL EDITION』ではない)であると見て間違いなさそうだ。小粋なデザインの白い靴と合わせているのだとしたら、このサーモンピンク氏、なかなか気合の入ったコーディネートぶりである。
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2024.10.02 20:00心霊緊急潜入! 中年男性が集う謎のデザイナーズ公衆トイレのページです。Ian McEntire、デザイナーズトイレなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで