提供卵子による出産、産みの母親の遺伝子が混じっていた
【不妊治療】ドナー卵子による出産に実は「産みの母親」の遺伝子が混じっていた!!
■38歳を境に、女性の生殖能力は急激に下降していく
このニュースを報じた「Daily Mail」の記事によれば、このほかにも、もうひとつスペインで今年初旬に不妊治療関連の見逃せない研究が発表されていたということだ。それは、44歳の女性の体外受精による妊娠は、39歳の女性よりも20倍の困難を伴うという発見だ。たった5歳の違いでこれほどの差が生じることは、これまた衝撃的な発見と言っていいかもしれない。
この研究を行なったバルセロナのクイロン・デシェウス大学病院のマルタ・デベサ医師によれば、40代半ばの女性は、わずか1.3%しか不妊治療の効果がないという。しかし一方で、38歳と39歳では不妊治療によって23.6%が妊娠しており、確率は大きく跳ね上がるのだ。デベサ医師らは、38歳を境に女性の生殖能力は急激に下降していくと結論づけている。例外はあるものの、事実上、44歳以降の妊娠・出産はほぼ無理という認識が妥当ということだ。
とはいえ、イギリスの実態では、専門医のもとで不妊治療を受けている患者の5人に1人は40歳代だという。つまり5人に1人のうち大半は、残念ながら医療費のムダ遣いに終わるということになる。
「加齢による妊娠率の低下についいて、一般の人々の理解が浅すぎると思います。高齢で妊娠出産した芸能人などがニュースになることもありますが、それは40歳代の人たちの救いにはなりません。セレブな彼女らがニュースになるまでに、何度、体外受精(場合によってはドナー卵子による体外受精)を試みてきたのか誰にもわからないのですから」(マルタ・デベサ医師)
事実、スペインの不妊治療医院の4,195人の患者を12年にわたり追跡したデータを調べたところ、諦めずに体外受精を何度も繰り返している患者も少なからずいるということだ。
ここで先のマクロン教授の発見に話が繋がるが、自分の卵子でなんとか妊娠しようとして歳を重ねて(40歳を越えて)しまうよりも、多少でも遺伝子が引き継がれるのであれば、さっさと卵子の提供を受けたほうがよいという判断もじゅうぶん妥当なものになりそうだ。生殖医療がめざましい進歩を遂げている中、出産をめぐる認識や考え方がいろいろ変わってきそうなニュースが続いている。
(文=仲田しんじ)
参考:「Express」、「Daily Mail」ほか
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