【ドヤ街レポート】山谷に降った小便の雨?おかしな磁場とものぐさ外国人の謎
■山谷に小便の雨が降る
ある静かな夜だった。帳場に座っていると、奥の部屋から「ジョボジョボボ」と何か水を上からまいているような音が聞こえてきた。なんだろうと思い網戸をあけると「雨?」という具合に水が上から降っている。 梅雨時、雨が降ってきたのかと手を出してみると、ぎょぎょ、とんでもなく臭い雨なのだ。いや、雨ではない、これは間違いなく人間の小水である!
慌てて上に向かって「コラ、何をしているんだ!」と言うと、さっと物陰が部屋に消えたのが見えた。手を洗いつつあそこの部屋の上は・・・と考えるとあの面倒くさがり屋のビジネスマンの部屋だったのだ。
確たる証拠を抑えるためにオーナーに小便の雨の話をし、彼の部屋を留守中に見てみると、大きなペットボトルに黄色い液体が……。
開けてみると間違いなくオシッコをここにためていたことがわかる。彼の部屋からトイレはかなり近い部屋だというのにモノグサにも程がある。彼に問い詰めると素直に白状し、清掃代を支払うことになった。それ以後、彼が泊まりにくることはなかったが、今でも手にかかった彼の小便のことを考えただけで気分が悪くなる。もしあの時顔を出していたら……、もう書くのはやめよう。
山谷は国籍を通り越して同じような人種を集める磁場が存在しているとしか思えない。しかし最近その磁場も薄まっているのか、山谷を案内して欲しいという人を山谷の真ん中当たりまで連れて行っても気が付かないということがある。以前は誰に何をいわれなくてもその圧倒的な威圧感からすぐに察することができたというのに。女子高生が山谷を歩くのも珍しいことではなくなった。だからといってここがありきたりの街になるとも思えない。
(写真・文=新納 翔)
■新納 翔 Niiro Sho
写真家。1982年横浜生まれ。麻布学園卒業。早稲田大学理工学部応用物理学科中退。日本の三大ドヤ街のひとつである「山谷」にて、実際に働きながら7年間写真を撮り続ける。写真集に『Another Side』(Libro Arte)等がある。2015年築地のギャラリー「ふげん社」にて、写真展「築地0景」を開催。写真評論家の飯沢耕太郎氏より高い評価を受ける。
ホームページ http://nerorism.rojo.jp/
Facebookページhttps://www.facebook.com/NiiroShoPhotography
■ワークショップのお知らせ
新納翔ワークショップ 「A氏の都市風景」#001
この度、少人数にて実際に撮影を伴にし、さらには写真をデータだけにとどまらせず、実際にプリントするためのノウハウを含めた講評会を2回にわけて行います。また、今回特典としてぜひオリジナルプリントに触れていただきたく、撮影会で私が撮り下ろしたA4サイズの私のプリントを額装のうえ、お付けいたします。これは本当に赤字覚悟です!このワークショップは、川崎市市民ニュージアムはじめ、色々なワークショップをやってきましたが、私が個人的に開催するもので、逆にいえば私も皆様から何かしら学ばして頂こうと思っております。技術より表現力を学びたい方是非ご参加くださいませ。
第一回 11月7日(土) 撮影会 時間 13:00〜 (仮、時間無制限)
候補地 産業道路(品川)その他
第二回 講評会 (日程に関しましては参加者の方と一回目に決めたいと思います)
●内容
いかに街と対峙するか
写真表現にあたって意識すべきこと
作品にあったプリント用紙の選び方
レタッチについて(自分なりの色を探る)
他人に自分の写真を作品として見せるためには
参加費:15.000円(二回分、税込み)
オリジナルプリント不要の場合は、10.000円にて受付致します。
●応募方法
応募締切:2015.10.25まで。
定員:10名
応募はこちらのフォームからお願いします。
質問等も受け付けておりますのでお気軽にご連絡くださいませ。
●山谷の写真集は下記Amzonか私のウェブサイトよりご購入できます。サイトからであればサイン入りで郵送可能です。
山谷写真集『Another Side』
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2024.10.02 20:00心霊【ドヤ街レポート】山谷に降った小便の雨?おかしな磁場とものぐさ外国人の謎のページです。山谷、新納翔、ドヤ街などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで