牛や豚の肉は食べるのに、なぜ犬の命だけを救うのか? 犬の殺処分問題について山田あかね監督が語る!

■さみしい女が犬や猫にはまるという偏見

牛や豚の肉は食べるのに、なぜ犬の命だけを救うのか? 犬の殺処分問題について山田あかね監督が語る!の画像4(c)スモールホープベイプロダクション

――話は変わって映画についてですが、ドラマ仕立てにされた理由は何かあるのでしょうか?

山田 犬の殺処分問題を扱ったドキュメンタリー映画はほかにもあるので、差別化をはかりました。やっぱりたくさんの人に見てもらいたいから、ポスターも“ゆるふわ系”のデザインにして、難しくない雰囲気を出しました。小林聡美さんが主演なのも、よりたくさんの方に見てほしいという理由からです。

――元旦那さん役として出演されていた上川隆也さんも素敵でした。

山田 あの役は、絶対にカッコいい人にしようって決めていたんです。犬の保護活動をしている女性に対して、男の人に相手にされないという偏見を持つ人がけっこういるということがわかったからなんです。知り合いの中年男性から、「暇なおばちゃんが犬とか助けてるんだろう」って言われて腹が立ちました。実際には、ご結婚されて、素敵な旦那さんがいたり、立派な仕事をもっている女性たちが活動しています。もちろん、さみしい奥さんもいるかもしれないけど、つまりは、そういうことじゃないってこと。だから、小林さんの元旦那さん役は絶対にみんなが羨むイケメンで、離婚して元旦那の方が心配して会いに来てくれるような “素敵な女が保護活動をしている”っていう空気にしたかったんです。

 私自身の経験ですけど、ゴールデンレトリーバーが亡くなって悲しんでいたある時、占い師に助言をもらいに行ったんです。そしたら「一匹犬が死んだくらいで、仕事も人生もやめたくなるほど悲しくなるのは、人間関係が希薄だからですよ」って言われて、「それはちがうよ!」って本当に腹が立ったんです。私には多くの友人や恋人がいましたし、仕事仲間もいます。人間関係が希薄だから犬に関心をもったわけではないんです。だって人間と犬はまったくちがいますから。「さみしい女が犬や猫にはまる」っていう、男があざ笑いそうな偏見をひっくり返してやろうと思ったわけです。

 本作は一般的なドキュメンタリー映画とは異なり、ストーリー仕立てになっていることで、誰にでも見やすい作品になっている。山田監督が出演する役者に語らせた言葉の意味や配役に注目してみるのもまた面白いかもしれない。

『犬に名前をつける日』
監督・脚本:山田あかね
出演:小林聡美、ちばわん、犬猫みなしご救援隊、上川隆也、渋谷昶子、ハル、ナツ、チコ(ノワール)ほか
主題歌:ウルフルズ『泣けてくる』
音楽:つじあやの
配給:スールキートス
2015年/107分

・10月31日(土)からシネスイッチ銀座ほかで全国ロードショー
・公式ウェブサイト http://www.inu-namae.com/

山田あかね(やまだ・あかね) 東京都生まれ。早稲田大学卒業後、テレビ制作会社勤務を経て、1990年よりフリーのテレビディレクター。ドキュメンタリー、教養番組、ドラマなどの演出・脚本を手がける。小説家としても活躍し、03年『ベイビーシャワー』で第4回小学館文庫小説賞受賞。愛犬「ハル」は、この秋公開の新作映画『犬に名前をつける日』に出演している。

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