ネットの正論に潰される表現の自由! 東村アキコの漫画『ヒモザイル』休載はもっと議論されるべき

漫画家の東村アキコが『モーニング・ツー』(講談社)に連載していた『ヒモザイル』が休載となった。
同作品は、“実録ヒモ男養成漫画”と銘打ち、うだつのあがらない自身の男性アシスタントたちを『ヒモザイル』と呼び、高収入のアラサー女性と結びつけるべく奮闘するルポ漫画だ。東村自身も主人公として登場する。
ところが、主夫をヒモ扱いするといった描写にインターネット上で批判が殺到。これを受け、東村はTwitter上で「本作は実際の出来事を元に描いていこうと考えていたので、皆様からの反響に向き合わずに創作を続けることはできないと判断しました」と釈明し、漫画は休載となった。再開時期は未定だ。
「東村アキコさんは、自身の子育てを漫画化するなど私生活を公開している作家です。『ヒモザイル』もいわば、その延長線上にある企画と言える、いわば“身内ネタ”“業界ネタ”です。読者もそれを楽しんでいたところがある。ところがネットの正論に潰されてしまった形ですね」(漫画雑誌編集者)
漫画家とインターネットの親和性は高い。基本的に家にこもり、原稿を描いているため、SNSが息抜きとなる。ファンとの交流や、作品の評価や感想などに触れられる一方、心ない言葉を目の当たりにすることもある。
「ネットの評判に一喜一憂してしまい、自分を見失ってしまう作家さんも多い。そのため、ネットは一切見ないという人もいるほど。ただ、どこからかメールアドレスを調べて、悪評が書かれた大型掲示板のURLを送りつけてくる厄介な自称ファンもいますね」(前出・同)
漫画業界というのは、作家、編集者含めて、良くも悪くも世間の常識からはちょっとズレた人たちが集まる世界だ。『ヤングマガジン』(講談社)の編集長であった関純二が記した自伝的小説『担当の夜』(文藝春秋)にある、一癖も二癖もある漫画家たちとの丁々発止のやりとりなど良い例だ。
社会的に正しく、誰からの怒りも買わず、健全な漫画があったとして、果たして面白いのだろうか。そもそも表現は人を傷つけうる可能性を保持しているのではないか。『ヒモザイル』休載をめぐっては、さらなる議論が望まれるべきだ。
(文=平田宏利)
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