【怪しい実験室】超高速で醤油を作ってみた! 気になる味は?

●作ってみよう!!

 まずは原料液を作成しよう。用意した小さいポリ容器に小さじ一杯ほどの大豆粉と塩酸を入れてよく混ぜる。この時、ポリ容器に入れる塩酸は10パーセント程度の濃度にし、若干量入れれば問題ない。

【怪しい実験室】超高速で醤油を作ってみた! 気になる味は?の画像5原材料を混ぜてポリ容器にイン

 そして、圧力容器に、小さいポリ容器に原料を入れて加熱する。100度以上に達したら15分程度の放置で十分だ。また圧力と温度が上げられればもっと濃度は低くてもいいだろう。今回使ったポリ容器の耐熱温度は150度程度と思われる。しかし、ポリ容器は加熱した時、膨張してしまい、すぐに破裂してしまう。そこで、圧力容器全体に満遍なく水を満たしポリ容器が膨張するのを防ぐ。こうすることにより温度を100度以上にしても水は沸騰することなく、圧力と熱を原料液に加えられるのである。

【怪しい実験室】超高速で醤油を作ってみた! 気になる味は?の画像6そして、こいつに原料液をイン
【怪しい実験室】超高速で醤油を作ってみた! 気になる味は?の画像7加熱、加熱、加熱!!!


●完成!!

【怪しい実験室】超高速で醤油を作ってみた! 気になる味は?の画像8完成!!! お弁当に入っていてもおかしくない!?

 最初は乳白色だった原料液が反応後は黒い汁になっているのがわかる。市販の醤油は赤茶色っぽい色をしているが、今回作ったものは墨汁のような外見だ。

 入れた塩酸は触媒的なものであり、ほとんど消費されない。そのため、処理直後の原料液には多量の塩酸が含まれており食用には適さない。そこで、害がないレベルまで中和させるために水酸化ナトリウムを投入する。すると、塩酸を塩化ナトリウム、すなわち塩にすることができる。つまり、この作業を行うことで、醤油に必要な塩分をも得られるのである。

●実際の味

 実際の味はあまり美味しいものではなく、ある種の漢方薬に似ている。実際の製品は香料や色素、調味料を入れて味を調整しているようだ。今回の実験は“たんぱく加水分解”と呼ばれるものであり、調味料の科学的製法で一般的な方法である。

 食品の裏側に書いてある「アミノ酸など」がこれにあたる。原理的には魚醤や豚骨などもいけるはずだ。いずれ、この連載でも試してみよう。
(文=POKA)

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