サンタクロースは女神だった?悲しくも消されたクリスマスの女性史7
■クリスマスの女神6〜7 「イナンナとニケ」ツリーとともに消えた女性史
クリスマスの象徴ともいっていい存在のクリスマスツリー。キリスト教徒でなくてもさまざまな飾りをつけライトアップを楽しむのは世界共通のことです。ではなぜ世界共通なのでしょう?ブリタニカ百科事典にはこう記されています。
「永遠の命を象徴する常緑樹や花輪は元来、古代エジプト、中国、ヘブライ人の習慣であった。ツリー崇拝は異教徒のものであり、キリスト教はそれを受け入れることによって生き延びることができた」
たしかに今でも、クリスマスツリーにエジプトではヤシ、ローマではモミの木が使われます。
古代エジプト人は1年を通じて死に打ち勝ったことを「生、勝利のシンボル」である緑のヤシの木を家に飾ることで喜びを表現しました。また、モミの木は、愛、多産、および戦争の女神である「イシュタル」から「イナンナ」や「ニケ」といった女神に捧げられたと伝えられています。
そして現在多く見られるクリスマスツリーは初期のユダヤ教にルーツを持っています。しかしそういった話も、「Mothers’ Night」同様歴史の闇に葬られてしまったのです。多くの女性が関わってきたクリスマスですが、そのことはいつの間にか無かったことのように扱われているのです。
歴史(history)をもじって女性史は「Herstory」と呼ばれることもあります。最近ではサンタクロースの格好をした女性がイベントなどで騒いでいる様子を見かけますが、歴史上クリスマスはもともと女神信仰の日だったとは意外な話です。本来、クリスマスは女性のためのイベントであったわけです。今あるクリスマスというものが形成されるにあたって消されていった女性の歴史、こういうことがあるということを知った上で今年も楽しくクリスマスを楽しみたいですね。
(アナザー茂)
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