サンタクロースは女神だった?悲しくも消されたクリスマスの女性史7


■クリスマスの女神2〜4 クリスマスイヴは元来3人の「Mother」を讃える日だった

 クリスマスはキリストの降誕を祝う祭りで毎年12月25日に行われています。その語源はラテン語の「クリストゥス・ミサ」で、「Christ(キリスト)」に「mas(礼拝)」という言葉が合わさってできたと考えられています。

 しかしもともとの由来は諸説あるものの、古代ローマで冬至の日に行われていた「太陽神の誕生祭」や「農耕神への収穫祭」であると言われています。そこで、キリスト教徒たちは、は異教徒間との摩擦を避けつつ布教するため、この太陽神を崇める祝祭日の12月25日にあわせて、その日をクリスマスとしたのが始まりだといいます。だから今でも異教徒の文化が残っているんですね。

 また、それとは別にかつてヨーロッパでは、12月24日のクリスマスイヴに、「Mothers’ Night」と呼ばれるお祭りが執り行われていました。今から遡ること6千年前、「Mother」と呼ばれた強大な力をもつ3人の女性の神々が存在したと記録に残っており、この「Mothers’ Night」は、その女性の神々を祝うための日であったのです。そう、元々クリスマスイヴは女神を称えるための日であったのです、いわば女性のための日だったとも言えましょう。

■クリスマスの女神5 暖炉の「ヘスティア」

 次はついにサンタクロースも女性だったのでは? という話です。

 サンタクロースは子どもたちが寝静まった夜中、トナカイのそりに乗って煙突から入ってくるというのは絵本でもよく見るシーンですが、正直あまり現実的ではないですよね。煙突から入る理由もないし、そもそも下まで下りるには相当な労力がかかるはず。ではどうして煙突から入ってくるという話ができたのでしょうか? 実はここにも女性が登場するのです。

 あまり知られていない話ですが、古代ローマでは「暖炉(hearth)」を讃える儀式があり、その儀式は火と炉の女神「ヘスティア (Hestia)」が由来になっているのです。そう、ヘスティア (Hestia)の名前は暖炉(hearth)を意味しています。

 ヘスティアが煙突を通って家族のもとに幸せを与えにやってくるという逸話はサンタクロースが登場するずっと前からあるのです。それが何世紀もたって今のような赤い衣装に白ひげのサンタクロースになるわけですが、初代サンタクロースは女性だったといってもいいでしょう。

 その後サンタクロースは男性が演じるものになっていくわけですが、赤い服のサンタクロースが登場するのは19世紀になってからなのです。

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