「名前を書いた紙」を挟むだけで高音質に?ディープすぎるオーディオ業界についてメーカー社長が語る!
東京・代官山にあるライブハウス「晴れたら空に豆まいて」の驚異的音響の謎を探るため、導入オーディオ機器を製造している関口機械販売株式会社の石黒謙社長に話を聞くことにした筆者。
インタビュー前編で明らかになったのは、インシュレーター(AV機器の接地面に置き、振動を逃がして共振を防ぐ器具)に水晶を用いることによって音の共振が抑えられているという事実だった。しかし、「晴れたら空に豆まいて」の機材では、共振とは無関係であるはずの電源ケーブルにまで水晶が使われているという。その理由を聞くまでは、まだまだ食い下がらなければならない。
果たして社長の口から語られた“真実”とは? 信じられない展開が待っていたインタビュー後編!
■なぜか音質が良くなる? 本当の理由は誰も知らない
「電源ケーブルに水晶を使う理由……。いや、それはよくわからないんですよね」(石黒社長)
な?? 社長自らが“わからない”!?
「水晶って、共振を止める以外にも不思議な効果があるんですよ。音が“有機的”になるというか、“生々しく”なるというか……」(石黒社長)
科学を飛び越え、一気にオカルトめいた展開になってきたが、水晶に“何か”があるというのは音楽業界では有名で、スタジオにかなりの確率で置いてあったりするらしい。
「たとえばオーディオ用抵抗なら、金箔抵抗を使うと音が良くなると言われます。元々はイスラエルの軍事用抵抗で、1個3,000円ぐらいするものですが、それを高級オーディオメーカーでは使う。コンデンサならマイカコンデンサやオイルコンデンサが良いというんですけど、実はどれも電気的な特性は同じなんですよね」(石黒社長)
電気的な理論でいえば、どれを回路に用いても同じ音がするはずだが、使う素材が違うと音が変わるのだという。しかし、それにしても、本当に違いがあるのか?
「残念ながら、音色とか質感とか人間の感覚的なものは、測定機に出ないものです。たとえばレゲエを聞いて“ホットな音”だと思いますが、それは測定できない。熱い音は測れません。同様に水晶による音の変化も測れない。しかし、確実に音は変わります」(石黒社長)
社長の隣りに座っていた「晴れたら空に豆まいて」の音響ディレクターも、頷きながらその言葉に同意する。
「僕もそんなに感覚が鋭いわけではないんですが、今回、5カ月かけて音響設備を全体的に変えていく中で、どんどん音が良くなっていくんですよ」(音響ディレクター)
わからないものは判断しないという科学的姿勢に立ち、とりあえずインシュレーターの部分だけで原稿にまとめよう……そう思った時だった。石黒社長の口から、驚天動地の言葉が飛び出したのだ!
「人のサインでね、音が変わるんですよね」
……はい!???
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