「名前を書いた紙」を挟むだけで高音質に?ディープすぎるオーディオ業界についてメーカー社長が語る!

「名前を書いた紙」を挟むだけで高音質に?ディープすぎるオーディオ業界についてメーカー社長が語る!の画像7何かが変わった!(撮影=編集部)

■筆者の名前だと、音質は……?

「じゃあ、川口さんの名前でもやってみましょう」(石黒社長)

 はい、じゃあこれで。筆ペンで書きましたよ、筆ペンで。お願いしますよ。筆者の名前を記した紙切れを、しっかりアンプに挟んでもらった。

「名前を書いた紙」を挟むだけで高音質に?ディープすぎるオーディオ業界についてメーカー社長が語る!の画像8筆者のサインでは!?(撮影=編集部)

――チャカポコチャカポコ!

「音が悪くなりましたね。笑」(石黒社長)

……おい。

 正直、よくわからない。音色はデータに出ないと先に釘を刺されてしまうと何とも言えない。科学的には、“まだよくわからない”というのが結論だ。本来は、サインがあることを教えず、サインを入れた場合と入れない場合の音を複数回聞き比べ、どちらの音が良いか複数人に対して質問し、6~7割以上が「サインを入れた方がいい」となれば、初めてこれが何なのか、調査の意味があると考えたい。しかし、プロもいる現場で、高級機材がこのように音が変わるといわれている事実を、すべて思い込みとして片付けるのは無理がある。オーディオの世界は実に奥が深いとしか言いようがない、稀有な体験であった。


(取材・文=川口友万/サイエンスライター/「サイエンスニュース」編集長/著書『大人の怪しい実験室』)

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