斬首や強制性転換も…本当にあった冷酷非道な社会実験ワースト10


8. 同性愛者嫌悪プロジェクト(The Aversion Project):1979年~1989年

斬首や強制性転換も…本当にあった冷酷非道な社会実験ワースト10の画像2画像は「Alltime10s」より

 南アフリカのアパルトヘイト時代、南アフリカ軍は同性愛を根絶するための極秘プログラムを軍病院で行った。そのプロジェクトの目的は、ゲイやレズビアンの兵士を強制的に“治療”することであった。軍の精神分析医は、次々に同性愛疑惑のある兵士を探し出し、病院に送り込んだ。

 その結果、薬による去勢、電気ショック、ホルモン療法や精神医学的な方法でも治療不可能だった兵士には強制的に性転換手術が行われた。正確な数は知られていないが、元陸軍外科医によれば約900人に対して、この“治療”が行われたということだ。当然、それらの人々の精神的なダメージは大きかったが、“治療”後には何のアフターケアも施されなかった。継続的にホルモン治療を受ける必要が生じた兵士もいたが放置され、自殺した兵士もいたのだ。


7. ランディス博士の表情実験(Landis’ Facial Expressions Experiment):1924年

斬首や強制性転換も…本当にあった冷酷非道な社会実験ワースト10の画像3画像は「Alltime10s」より


 米国ミネソタ大学心理学研究科のカーニー・ランディス博士は、「表情実験」を行った。この実験の目的は、全ての人間は同じ感情(嫌悪感、衝撃、喜び等々)に対し同じ表情をするかどうかを知ることであった。

 被験者は強い反応を示すような刺激(アンモニアの臭いを嗅ぐ、ポルノ写真を見る、カエルの入っているバケツに手を突っ込む等)が与えられ、博士はその表情を撮影した。このテストの最終段階で参加者は生きているネズミを見せられ、首をはねるように指示されたのだ。

 被験者の3分の1はその指示に従った。もちろんネズミの首を切ったことがある者などおらず、多くのネズミは残酷な殺され方で苦しんで死んだという。その他の3分の1の被験者はネズミの首をはねることを拒否したので、代わりに博士がナイフで首を切って見せた。

 さて実験結果だが、同じ感情を持っても一人ひとりが違う表情をすることがわかった。しかし皮肉なことに、この実験が後世まで有名なのは表情についての実験結果ではない。この実験によってわかったのは、「人はある状況下で上の人物から指示されると、普段しないことでも平然としてしまう」という事実であった。

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