2017年、ついに胎児がお腹にいる中での遺伝子治療実施へ! その方法とは?
■来年以降に20人前後の妊婦が遺伝子注射を受ける予定
この臨床実験は、UCL病院(University College London Hospital)が来年からスタートする予定で、現在、倫理審査による承認待ちだという。このプロジェクトの主任であるUCL病院のアナ・デイビッド博士は「我々は、ベビーたちがすくすくと成長してくれることが望みです」と伝えている。来年以降、15~24人程度の妊婦が遺伝子注射を受ける予定だ。
遺伝子治療は以前から、ごく一部の遺伝子の異常による疾患などで利用されてきたが、この試みは胎児が母親の体内にいる状態での初のケースとなる。倫理的な問題が問われるところかもしれないが、この臨床は安全性を考慮した上で、遺伝子注射は母親に対して行われ、胎児ではないという点に核心がある。また、胎児が深刻な障がいを持つ、あるいは治療を受けなければ死亡してしまうケースにおいてのみ実施される。
デイビッド博士は「子宮内胎児発育遅延の赤ちゃんを宿しているご両親と話し合うとき、皆さん口をそろえて『この子にチャンスを与えてください』とおっしゃいます」と語る。また、同プロジェクトのメンバーである「Queen Mary University of London」の生体倫理学者リチャード・アシュクロフト教授も「このブレイク・スルーは何千人もの命を救うことになるでしょう」と太鼓判を押している。さらに、赤ちゃんのためのチャリティ団体「Tommy’s」の代表ジェーン・ブレーウィンさんも「妊娠初期の段階で、お腹の赤ちゃんの発達がうまくいっていないと知ったときの両親の悲しみは計り知れません。この治療法は、我が子を救えるかもしれないという一条の光です。そして、生まれた子どもが生きながらえる可能性を秘めています」と期待を込めている。
遺伝子注射はまだまだ臨床の段階にある。倫理的な問題も慎重に検討した上で、法の整備が進むことが急務といえるだろう。
(文=佐藤Kay)
参考:「Daily Mail」、ほか
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