タイムスリップする「日本一短いトンネル」 ― 川根電力索道用保安隧道の郷愁
2016.05.08 12:00
このトンネルは、大井川鐵道が全線開通し、それに伴う形でロープウェイがそれまでの役目を終えると、本来の目的である「保安」の意味を失い、結果としてトマソン化することとなった。短いその背に青々と生い茂る草木の様子を見れば、そうした状態になってからすでに久しいことが見てとれる。まるで時が止まってしまったかのように、しんと静まり返っている最寄駅・地名の駅舎を包み込む空気も、訪れる者たちを歴史のしじまに誘うかのようだ。
そのあまりに奇異な姿を保ちつつも、それでいて付近の長閑な景色の中へと自然な形で溶け込んでいるこのトンネル。トンネルとしては短いながらも、ほど近い場所に同じくひっそりと佇む地名駅と共に、近隣の人々から愛されつつ歩んだ時間は、ゆったりとしたものであるに違いない。
(写真・文=Ian McEntire)
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