タイムスリップする「日本一短いトンネル」 ― 川根電力索道用保安隧道の郷愁
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」―川端康成の代表作『雪国』は、北国に向かって進む列車が長いトンネルへと入り、そこから出た瞬間の変化を、シンプルながらも鮮烈な印象を残す描写で幕を開ける。こうした描写からもわかるように、とかく、トンネルというものは、それこそ入口前の世界と、出口後の世界を大きく隔ててしまうような、そんな「長い」というイメージがつきまとうものである。しかしそうした世人の固定観念を覆すトンネルが、静岡県に存在している。
1980年に公開された鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』のロケ地としても知られるこの場所は、浜松から小一時間ほど離れた川根本町の、のどかな田園地帯の中にある。
SLの運行で知られる大井川鐵道の線路をまたぐようにしてそびえ立つその姿は、一見してわかるように、我々のイメージしがちなトンネルを、ロールケーキを輪切りにしたような奇異な存在だ。その姿から、一般に「日本一短いトンネル」(※全長約11m/実際にはJR呉線の川尻トンネルが約8.7mとさらに短い)として、近隣の住民はもとより、世の好事家たちから親しまれている。

このトンネル、その特殊な形状からもわかるように、山間部などの一般的な鉄道用のトンネルではない。実はもともとこのトンネルの上には、かつて川根索道というロープウェイが通されており、そこから転落する物で鉄道の交通に支障が出ぬよう設けられた、「線路の屋根」とも言うべき構造物なのである。そのため、正式名称は『川根電力索道用保安隧道』という。
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊タイムスリップする「日本一短いトンネル」 ― 川根電力索道用保安隧道の郷愁のページです。Ian McEntire、トンネル、川根電力索道用保安隧道などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
UFO・宇宙人最新記事
人気記事ランキング更新
- ・ついにローマ教皇が「地球外生命体」に言及
- ・審判の日は10月29日 ―「彗星なら崩壊する」“3I/ATLAS”は偽装した宇宙船?
- ・地球を守る“シールド”が突破される
- ・ミチオ・カク「タイムトラベルは、もはやエンジニアリングの問題だ」
- ・神様を“上に置かない”生き方とは? 車のトラブルから人間関係まで… 悟り系霊能師が教える「神界との付き合い方」
- ・ピラミッドは“王墓”ではなかった?「経済安定化装置」説
- ・「この世界はシミュレーションだ」と証明する男の危険なメソッド
- ・人類史上20例、超難病「バーバー・セイ症候群」の女性
- ・「毎日4機のスターリンク衛星が地球に落下している」
- ・“人間の皮”で装丁された「人皮装丁本」その狂気の物語
- ・ついにローマ教皇が「地球外生命体」に言及
- ・審判の日は10月29日 ―「彗星なら崩壊する」“3I/ATLAS”は偽装した宇宙船?
- ・地球を守る“シールド”が突破される
- ・ミチオ・カク「タイムトラベルは、もはやエンジニアリングの問題だ」
- ・神様を“上に置かない”生き方とは? 車のトラブルから人間関係まで… 悟り系霊能師が教える「神界との付き合い方」
- ・ピラミッドは“王墓”ではなかった?「経済安定化装置」説
- ・「この世界はシミュレーションだ」と証明する男の危険なメソッド
- ・人類史上20例、超難病「バーバー・セイ症候群」の女性
- ・「毎日4機のスターリンク衛星が地球に落下している」
- ・“人間の皮”で装丁された「人皮装丁本」その狂気の物語