聖書の伝説は本当?「ノアの方舟」とされる船形の地層から、大洪水の時期と一致する“海洋生物の痕跡”を発見

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 聖書に記された伝説的な大洪水と「ノアの方舟」。その痕跡とされる場所で、新たな考古学的発見があった。トルコ東部のドゥルピナール地層(Durupınar site)は、長年にわたり方舟が漂着した場所だという説がささやかれてきたが、新たな調査結果がその信憑性を高めている。

 イスタンブール工科大学とアグリ・イブラヒム・チェチェン大学(AICU)の研究チームは、この船の形をした盛り土から、粘土質の物質や海洋生物の痕跡を発見したと報告した。これらの発見は、約5000年前、つまり聖書の大洪水が起きたとされる時期に、この地で人間が生活していた可能性を示唆している。

5000年前の生活痕跡と人工的な粘土層

 AICUのファルク・カヤ教授によると、岩石や土壌サンプルの分析から、「多成的」な粘土質の物質が見つかったという。これは粘土、沈泥、砂が複雑に混ざり合ったもので、自然に形成されたものではなく、人間の手による開発の痕跡である可能性が高いとされる。カヤ教授は、「この地域で発見された陶器の破片は、ここに人間の活動があったことを示している。このような構造物は世界中どこを探しても他にはない」と述べている。

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画像は「Mirror」より

 さらに興味深いのは、海洋生物の痕跡も見つかったことだ。これは、紀元前3000年頃の銅石器時代に、何らかの船や人間の集落が存在していたことを示唆している。カヤ教授は、「この時期は、預言者ノアが生きていたと信じられている時代とおおよそ一致する」と指摘している。

 研究チームは、貴重な遺物が持ち去られたり土壌が荒らされたりするのを防ぐため、この遺跡を特別保護区として管理するよう求めている。「この地形とその周辺は保護されるべきであり、石や岩などの持ち出しは防がなければならない」とカヤ教授は訴える。

自然現象か、伝説の真実か? 続く論争

 1959年に発見された全長157メートルのドゥルピナール地層は、数十年にわたり激しい論争の的となってきた。その形状や寸法が『創世記』に記された方舟と一致すると信じる人々がいる一方で、地質学者の多くは、これは自然現象によって形成されたものだと考えている。「壁」のように見える部分は、硬化した粘土や鉄分を多く含む褐鉄鉱(リモナイト)でできているというのが一般的な見解だ。

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 懐疑的な意見も根強い。1996年、カリフォルニア州立大学のローレンス・コリンズ氏は、この場所にある石灰岩の堆積物は、方舟の一部だとされる部分よりも地質学的に新しい時代のものであり、方舟説は「偽り」であるとする論文を発表した。彼は、「船のような形をした珍しい構造があまりに人目を引くため、ノアの方舟を発見した、あるいはその存在を証明したという熱意が、慎重さを上回ってしまったのではないか」と警鐘を鳴らしている。

 果たして今回の発見は伝説を裏付ける決定的な証拠となるのか、それとも自然のいたずらに過ぎないのか。太古の謎をめぐる議論は、まだ終わりそうにない。

参考:Mirror、ほか

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