抗生物質で治らない「スーパー淋病」が英国で感染流行か?女性の半数が危険な性交渉?
淋病は、すぐに直接死に結びつく性感染症ではないが、治療が遅れたり、このスーパー淋病のように薬が効かなかったりすれば、不妊や流産の原因となったり、視力に障害をもたらしたり、重篤な炎症を引き起こすこともあり、当然のことながら適切な治療が必要な感染症である。イギリス保健省のチーフメディカルオフィサーのダム・サリー・デイヴィス教授は、このスーパー淋菌に対して、昨年の12月には「もはや淋病は治療不可能な病気になる危険がある」と国内の医療関係者に警告文書を発信しており、また、保健省当局から公に不用意なカジュアルセックスを控えることと、新しいパートナーとのセックスの際にはコンドームの使用を促すという警告も出されている。
■医療の進歩がウイルスを強く凶悪なものへと進化させている
このスーパー性病を引き起こす新株は、昨今医学界、薬学界でなにかと話題にのぼる薬剤耐性を持つ微生物、特に抗生物質耐性微生物が多数出現している事態を表すひとつの例であり、医師や薬剤師による、薬の過剰な処方による結果でもあるとされている。ある例をあげれば、ペニシリンなどの数種類の抗生物質は、いまでは皮膚の感染症や、のどの痛み、肺炎には効き目がなくなってきているという。
デイヴィス教授によれば「抗生物質に耐性がある微生物の脅威は、テロリズムと同等の危険性がある。ちょっとした切り傷でも、そこから耐性菌が侵入してしまう可能性もある。」とのこと。また、ジョージ・オズボーン財務大臣は、抗生物質耐性菌は2050年までに、年間のガンによる死者数を超え、年間一千万人超の死者を出すことになるであろうと発言している。
なんでも薬で治ってしまうという“薬神話”があるが、医師や薬剤師が薬を過剰に使用していることだけでなく、患者自身もまた多くの薬の処方を望んでいる事実もあるのだろう。抗生物質の発見は、おそらく医療界での革命だったに違いないが、それが微生物をさらに強く凶悪なものに進化させてしまったとも言えるだろう。医学の進歩か微生物の進化か、どちらが勝つかはわからないが、不用意なセックスはしばらく避けたほうがよさそうである。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」ほか
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2024.10.02 20:00心霊抗生物質で治らない「スーパー淋病」が英国で感染流行か?女性の半数が危険な性交渉?のページです。セックス、医療、ウイルス、感染、性病、高夏五道、スーパー淋病などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで