ウンコ最強説? 理学博士「次世代ワクチンは、大腸菌でガン治療にも応用できる」
――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ

次世代のワクチンは大腸菌(Escherichia coli)を使って作られるかもしれない。そんな驚くべきニュースが7月1日付の「Science Dairy」に掲載された。
使うのはもちろん健康に無害な大腸菌だ。大腸菌をポリベータアミノエステルという合成ポリマーで包んだカプセルを作り、その中にワクチンの本体であるタンパク質などを入れ、経口または注射して体内に入れる。つまり、大腸菌をワクチンを運ぶための運搬体として使おうというアイデアである。
アメリカ・ニューヨーク州立大学バッファロー校のブレイン・ファイファー氏らは実際に大腸菌を使ったワクチンをマウスで実験した。今月1日付で学術誌「Science Advances」に掲載された論文によると、大腸菌のワクチンは肺炎や敗血症、髄膜炎などを引き起こす肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)に対して有効に機能したという。ファイファー氏らはこのアイデアの実用化を目指しているという。
このアイデアの利点はどんなところにあるのだろうか。生物学に詳しい理学博士X氏に解説をお願いした。
「大腸菌をワクチンの運搬体として用いる利点は、カプセルである大腸菌自身が免疫を活性化し、ワクチンの効き目を増強する役目を担うことにあります」
現在使われているワクチンは大きく分けると三種類ある。
・弱毒化した細菌やウイルスを使う生ワクチン
・病原体をホルマリンや紫外線で処理した不活化ワクチン
・細菌の毒素だけを取り出したトキソイドだ。
生きている病原体を用いる生ワクチンは、効果は高いものの発症のリスクがある。また、不活化ワクチンやトキソイドは感染のリスクこそないが、効き目が弱く、複数回摂取が必要となる。
不活化ワクチンやトキソイドの例からも分かるように、病原体への免疫を獲得するためには病原体の丸ごと全部が必要という訳ではない。原理的には病原体から抽出した抗原物質を摂取すれば良いのだが、それだけではワクチンとして十分な効果が得られないことが多い。そのため、ワクチンにはアジュバントと呼ばれる補強材が添加される。大腸菌カプセルはこの補強材の代わりとなり得るという。
また、大腸菌カプセルにはワクチン以外の可能性もあるとX氏は言う。
「カプセルの中には抗原物質以外のものも封入できます。このシステムはワクチンの他にもガンの治療など、様々な分野に応用できると考えられます」
大腸菌には思いがけない使い道があるようだ。
(吉井いつき)
※参考「sciencedaily」「adyances」
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