「日本三大大仏」入りを狙う富山県・高岡大仏! 訪れてみたが、地味だった…
しかし、その中はいわゆる「胎内めぐり」のような形で散策できるという、なんとも心憎いギミックが施されており、櫻井鴻有の『聖徳太子』にはじまり、村閑歩の『焦熱地獄』、増川武雄の『地獄』など、日本屈指の名画家たちが、『七本杉』の伐採木をキャンバスに描いたという全13作の傑作仏画と、上野大仏よろしく、1900(明治33)年の大火で類焼した際に落下したという仏頭が展示されていた。
おそらく、これらの展示物は、メインである大仏をしのぐ形で、同施設における大きな見所として位置づけられているのだと思われるが、たまたまなのか、参拝客の姿はほとんど見当たらなかった。なお、当地ではこの高岡大仏と前出の人気B級グルメ『高岡コロッケ』との“コラボ企画”なのか、『大仏コロッケ』なる巨大なコロッケ(筆者注:生憎、対象物のチョイスに失敗したのか、ごくごく普通のコロッケに見えるかもしれないが、実際には直径約14cmと、一般的なコロッケと比較してその大きさは一目瞭然である)が存在していた。しかし、この『大仏コロッケ』を口にした観光客のうち、一体どの程度が、大仏本尊を参拝したかは不明である。
結局のところ、この高岡大仏において目を引いたのは、やはり大仏そのものよりも、その胎内に展示されている仏画や仏頭。他の二大大仏と比べ、プロモーションが弱いということも手伝って、その全体的な雰囲気もまた「地味」の一語に尽きるだろう。
それでも、高岡大仏が「日本三大大仏」の一角を狙う有力候補のひとつであることは間違いない。好事家の諸姉諸兄は、いつの日か、正式に三大大仏の一角に加わる日が来ることにそこはかとない期待を寄せつつ、コロッケ片手にふらりと訪れてみることも、一興と言えそうだ。
(写真・文=Ian McEntire)
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