宇宙人か、古代人か? 南極大陸で世にも異様な“長頭頭蓋骨”が発見される!
顔面と額部分の大きさは我々と一緒だが、さらにもうひとつ顔が乗るほど頭頂部が異様に盛り上がった不思議な頭蓋骨。ウソかマコトか、かつて南極大陸で発見された、長すぎる頭部を持つ古代人のものとされる頭蓋骨の正体について、議論が再燃しているという。
■南極で謎の“長頭頭蓋骨”が発見される
事の起こりは2014年に米スミソニアン学術協会の考古学者であるダミアン・ウォータース氏らの研究チームが、南極大陸の「La Paille」と呼ばれる地域で計3体の頭蓋骨を発掘したというニュースがネット上で駆け巡ったことだ。
これまで先住民の存在が確認されていない南極大陸で人骨が発見されたのは、人類が現地に到達した1820年以来初めてのこと。骨は数百年以上前のものだと推測されているが、はるか昔に定住していた人類がいたのだろうか?
ウェブ上では南極大陸で一番最初に存在した人類のものではないかと推測されている一方で、地球上に降り立ったエイリアンではないかと盛り上がりを見せているようである。
日頃により事あるごとにエイリアン地球侵略説を支持するサイトでは、この南極大陸で発見された頭蓋骨についても早速取り上げており、「アフリカ、南米、南極大陸の間で古代人がコンタクトを取っていたという証拠に違いない」と語気を強めているところもある。
前述のウォータース氏は「思わず目を疑いました。南極大陸で初となる人類の遺骨を発見したばかりか、こんな不思議な頭蓋骨まで発見したのですから」とコメント。発見当初は信じられずに毎朝夢ではないかと頬をつねる程だったと言い「人類の歴史全体を再定義することになるだろう」と語ったそうだ。
実は同様の“長頭頭蓋骨”はペルーやエジプトなど、世界中に点在する古代文明が栄えた地域でも見つかっている。エイリアン説が長い間取り沙汰されている一方で、乳幼児期からの人工的な頭蓋変形が古代文明ならではの奇妙な慣習の一部であったとも解釈されている。
■入念に仕組まれたフェイクなのか…
これらの頭蓋骨が人間のものかエイリアンのものかは別として、南極大陸で史上初となる人骨が、しかも長頭頭蓋骨が発見されたとすれば人類学や考古学史上かなりの大発見であるに違いないのである。
……のはずなのだが。ここへ来て何やらきな臭い話が出ているらしい。そもそもウェブで拡散したこの元ニュース自体が入念に練られた全くのデマではないかという疑惑があるというのだ。
例えばさまざまなのニュースを理論的に分析し、検証することをモットーに掲げる英サイト「Skeptophilia」では「発見場所のLa Pailleと呼ばれる地名は存在しない」ことや「発見者と言われるウォータース氏がスミソニアン学術協会で働いた形跡がない」「大発見であるのにもかかわらず記者会見が行われていない」などを挙げて疑問を呈している。
もはや何が正しいのかわからなくなっている状況だが、フェイクだとしたらなかなか手の込んだ大掛かりなものである。と、実際、限りなくクロに近いグレーなのだが、なにやら少しは信じてみたい気も……。貴方はどちらを信じるだろうか?
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Express」、「Skeptophilia」ほか
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