エウロパの水どころではない! ホーキング博士がまた宇宙人を語る「地球に似た惑星から宇宙人のオペラが聞こえる」

 しかし、グリーゼ832cがいくら第2の地球になる可能性があるとはいえ、岩石組成や大気など異なる点が多々あるのも事実だ。博士に説明してもらおう。

「この惑星では1年は36日です」(同)
「息が詰まるような分厚い大気が地表を覆っている可能性もありますし、太陽の重力の影響を大きく受けているかもしれません」(同)
「惑星の半分は常に太陽に面していますが、ピクニックに最適の場所とは到底言えませんね」(同)

■宇宙人発見には「思いやりと謙虚さ」が大事

 問題は太陽との距離にあるようだ。博士によると、太陽光の強さのため、植物が存在するとしても、その葉は黒か紫だろうとのこと。しかしそれでも、グリーゼ832cに液体の水分が豊富にあるとしたら、高度な知性を持った動物がいる可能性は十分あるという。

「地球からでは、グリーゼ832cの様子を見て確かめることはできませんが、進化した知的生命体が存在するなら、彼らの発するシグナルを聞くことはできるはずです」(同)
「世界一敏感な電波望遠鏡を用いて、我々は何を聞くことになるでしょう?」(同)
「おそらく宇宙人が奏でるオペラ演奏や、電話のベルの音だと思います」(同)

 コロンブスがアメリカ大陸を発見した時のように、地球が宇宙人に侵略される可能性があるため「地球外生命体とコンタクトをとるべきではない」と口酸っぱく警告を発してきたホーキング博士だが、意外なことにその発言からは期待と興奮が伺える。

 さらに博士は、地球外知的生命体の発見は人類の在り方を変えてしまうほどのインパクトを持つだろうと語る。

「知的生命体の発見は歴史上最も偉大な発見となるでしょう。人類のあり方を変えてしまうかもしれません」(同)
「人類だけが特異な存在であるという考えは捨てて、思いやりと謙虚さをもって行動しなければならなくなるでしょう」(同)

 まるで古代宇宙飛行士説の世界的第一人者ジョルジョ・ツォカロス氏の言葉を聞いているかのようだ。先日トカナのインタビューでツォカロス氏も、宇宙人を考えることは人類の謙虚さを要求すると発言していた。理論物理学と宇宙考古学、両者の方法は違っても宇宙を探求する者として深いところで共鳴しているのかもしれない。

 それにしても、ホーキング博士の発言には毎回驚かされるばかりだ。今後も博士の発言からますます目が離せない。

 ショートフィルム『スティーブン・ホーキングの一番好きな場所』は、「CuriosityStream」で有料で視聴可能だ。ホーキング博士と束の間の宇宙旅行を楽しんでみるのも良いかもしれない。
(編集部)

参考:「Daily Mail」、「CuriosityStream」、ほか

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