「人間の死体を他惑星に送れ」米生物学者が人間から地球外生命を誕生させる「逆パンスペルミア説」を提唱!
●宇宙船の航行時間と放射線被爆
そして3つ目の最も重要な要素が、宇宙船の航行時間と放射線被爆だ。数十年程度ならば、何の問題もなく微生物は生き残ることができるが、余りにも長期に渡ると問題が発生すると教授は言う。
「もし惑星到着に何百万年もかかるとしたら、問題は放射線です」(キング教授)
「ほとんど放射線を遮断できない状態で何百万年も宇宙空間を漂うとしたら、微生物が生存する可能性は限られてきます。人間の体に生息する無数の微生物のうちたった1つだけ生存するというのであれば、不可能だとは言いませんが」(同)
生物が存在する可能性が高いといわれる「プロキシマb」でさえ、地球から4.2光年(約40兆km)離れている。時速3万kmのスペースシャトルでも、約1万5千年もかかる距離だ。宇宙空間に居る時間が長くなれば長くなるほど、高エネルギーの放射線である宇宙線に晒される時間が長くなり、DNAやRNAが変質する可能性が高まるという。ダメージが蓄積され続けると微生物の生存も難しくなるかもしれないそうだ。
このように様々な困難があるが、英グラスゴー大学の化学者リー・クローニン博士も、詳細については今後詰める必要があるとしつつ、キング教授のアイデアに大筋では賛成しているようだ。
「人間の死体は、生命の誕生を促進するための化学的スターターパックです」(クローニン博士)
「仮説ではありますが、地球上で起こったような生命誕生のプロセスが別の惑星で再現されるかもしれません」(同)
もしかしたら、今から数十億年後には、遠くの惑星で死体の微生物から進化した知的生命体が誕生するかもしれない。そのとき、彼らも自分たちの起源を追い求めたり、宇宙人に想いを馳せたりするのだろうか? 自分たちこそが地球の宇宙人から生まれたとも知らずに――。
(編集部)
参考:「Astronomy Magazine」、「Express」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「人間の死体を他惑星に送れ」米生物学者が人間から地球外生命を誕生させる「逆パンスペルミア説」を提唱!のページです。宇宙人、微生物、パンスペルミア説、生命、プロキシマbなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで