2億5千万年後の地球の姿が公開!超大陸「アメイジア」が誕生していた!
英紙「Daily Mail」(1月12日付)によれば、2億5千万年後の地球は、北米と南米大陸が融合し、そこへユーラシア大陸がドッキングして単一の超大陸になっているという。このスーパー巨大大陸、名付けて――アメイジア大陸。
■2億5千万年後に超大陸アメイジアの誕生
この研究は総合学術雑誌「Nature」に発表されたもので、エール大学の地質学者と日本の「国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)」の共同研究チームによりもたらされた。
彼らの大型計算機システムを駆使した最新の数値シミュレーションによると、今から2億5千万年後、北半球を中心に現在のアメリカ大陸、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸は結合され、新たな超大陸が形成されるという。論文の筆頭著者であるエール大学のロス・ミッチェル博士は「最初に南北アメリカ大陸が結びつき、そのまま北上して現在の北極あたりでヨーロッパとアジアにつながります」と北極中心に形成される可能性を示唆している。日本列島についても「南半球から北上するオーストラリア大陸と、すぐ隣のユーラシア大陸に挟まれ、超大陸の一部に取り込まれてしまうでしょう」と予測している。また、海洋の形の変化によってカリブ海、北極海は消滅してしまうそうだ。
この超大陸の形成メカニズムだが「プレート」の移動がカギといわれている。地球は中心から核(内核、外核)、マントル(下部マントル、上部マントル)、地殻という層構造になっている。このうち「地殻」と最上部マントルは硬い岩板でできており、この十数枚の巨大な岩板こそ地球の表面を覆っているプレートだ。プレートの移動は、すでに太古の昔から繰り返されてきているが、人間の爪の成長とほぼ同じ、年に数ミリから数センチほどの速さで移動しており、地震は、このプレートがずれることにより発生すると考えられている。
■プレート運動や大陸移動を解明する手がかりに
実は、この「アメイジア大陸が現在進行形で形成されつつある」という学説は、決して新発見というわけではないという。歴史をさかのぼれば、ドイツの気象学者アルフレッド・ウェーゲナーが、ジグソーパズルのようにぴったりと一致する陸地の形状を説明するため、1912年に地質学会の席上で発表した「大陸移動説」が基礎といわれている。
いずれにせよ、今回のシミュレーション結果により、地震をはじめとする自然災害の観点からも地球科学上最大級の懸案事項であるプレート運動や大陸移動の原動力を解明するのに大きな手がかりとなったことだけは確かだ。ちなみに、アメイジアは「アメリカ」と「アジア」をつなげた造語だそうだ。
地球が地続きになることで、人類が縦横無尽に往来できることは素晴らしいが、あまりに壮大過ぎてちょっと想像しにくい。果てしなく遠い未来ではあるが、否応なしに近づいてくる2億5千年後の地球上で、人類はどんな暮らしをしているのか想像してみるのもいいかもしれない。
(文=佐藤Kay)
参考:「Daily Mail」、ほか
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