【閲覧注意】6つの衝撃映像で振り返る3.11の本当の恐怖 ― 津波の恐ろしさを後世に
宮城県石巻市明神町の石巻ガス本社の屋上から撮影された映像。石巻港に押し寄せた津波によって、車が次々と流されていく。「これでは終わりだな」「ここもヤバイよ」「友だちが心配だー」といった声が上がる。その後、撮影者を含む人々は、建物の屋根の上へと避難した。周囲を見渡した光景を見ると、撮影者のビルより高い建物はほとんどないようだ。多くの人々が、高台に避難できずに命を落としたと推測される。
石巻市では、東日本大震災で最大となる3,200人以上の命が失われた。この映像から得られる教訓は、海沿いの土地で暮らすか働いている場合は、津波襲来に備えて避難する場所を特定しておくべきということだ。
消防団員が撮影した映像。周囲の人々に「逃げろ、逃げろ!」と呼びかけながら、自らも車に乗り込んで避難する。恐らくスマホで撮影を始め、運転中もハンドルを握りながら撮り続けたのだろう。時には画面が横になったり逆さになったりするが、撮影が続けられた結果、後世に伝えるべき貴重な映像資料が残った。
「(津波が)堤防を超えて来たから逃げろ」と拡声器を使って繰り返すが、道行く人々の多くは、後ろを振り向きながら普通の速度で歩き、緊迫感があまり感じられない。震災時には、約2kmにわたり高さ5.5mの防潮堤があったが、津波で全壊し、市役所などがある市街地は壊滅した。もしかすると、消防団員が切羽詰まった声で呼びかけても、急ぐそぶりを見せなかった人々の中には、防潮堤の存在を信頼しきっていて、津波を堤防が超えることなどありえないと疑っていた人もいたのだろうか。
陸前高田市では、宮城県石巻市に次ぐ1,500人以上の死者が出た。今年1月には、高さ12m、全長2kmにわたる新しい防潮堤が完成した。だが、防潮堤が高くなったからといって、それに全幅の信頼を置いてはならないだろう。東日本大震災では、高さ12mを超える津波に襲われた地域も多かったのだ。
■まとめ ~「思い出したくない」では悲劇を繰り返す~
日本人の心象として情緒的な側面が強く、特に肉親や周囲の人々が犠牲となった自然災害については、それを「思い出したくもない」という人が多いと指摘される。しかし、そのような感情が、じつは子孫や後世の人々に大地震や大津波の恐ろしさを伝えることに対して一つの障害となっている部分もあるのではないだろうか。筆者はそのような考えによって、世間から「恐怖心を煽っている」などと揶揄されようが、人々にとって本当に必要だと思われる情報を提供し続ける。海沿いの地域を生活圏としている人々にとって、このような映像から学べることは少なくないはずだ。
もっとも、海から離れているから安心とも限らない。スマトラ島沖地震(2004年)の津波では、「津波って何?」というような欧米の人々がタイのプーケットなどのリゾートビーチで避難を怠り、犠牲となったケースもあるのだ。今回は取り上げなかったが、「津波直後」に分類される映像の中には、津波に襲われた土地がどのような変貌を遂げるかを示すものもある。一連の映像から、あなたも改めて何かしらの教訓を得られるに違いない。各自で検索・視聴し、改めて防災意識を高めていただきたい。
百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、『防災三昧』、Web:『沙龍家』、Twitter:@noya_momose
参考:「動画でふりかえる3.11」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊【閲覧注意】6つの衝撃映像で振り返る3.11の本当の恐怖 ― 津波の恐ろしさを後世にのページです。3.11、百瀬直也、東日本大震災、津波、防災、地震、避難などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで